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高松 秀樹

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第236回:恐怖の電話〜コールセンターの未来像〜

2025/06/14

ある調査では、20代の7割以上が「電話に苦手意識」や「恐怖感」を抱いているという現代。

SNSでは、「電話が怖くて会社を辞めた、、」そんな衝撃的な声が話題にあがったりしています。

若手層の「電話離れ」が加速する一方で、高齢層は依然「電話支持」が強いため、「全チャネル対応」のバランス調整が急務であり、コースセンター業界は「大きな転換期」に立たされています。

そんな中、「NTT Com(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ)」や「ベルシステム24」という業界大手は先進的なAI技術で応対DXを推進しているようです。

「NTT Com」は「大阪ガスマーケティング」と組み、生成AIを導入した「音声自動応答サービス」を試験運用しており、「FAQデータ」に基づく応答に加え、「シナリオレス」対応が可能な生成AIを活用し、「自己解決率の向上」と「混雑時のスムーズ対応」を目指しています。

また、「NTTグループ」ではAI音声認識や感情理解をリアルタイムに行う「AICC(AIコミュニケーションセンター)」も展開中。通話のテキスト化、要約生成、応対品質の可視化など、多面的な「オペレーター支援」が特徴のよう。

続いて、「ベルシステム24」は生成AIによる「Hybrid Operation Loop」を開発。通話ログからナレッジベースを自動生成する仕組みは「国内初」とされ、回答精度の飛躍に貢献しています。

さらに2025年4月には、通話・チャットログを解析し、ライフイベントや興味関心のスコア化によって「顧客ニーズ」を推定する「ヒトトナリAI」の提供を開始し、マーケ支援や営業施策への活用まで一気通貫して行える点が注目されています。

電話離れが進むなかで、コールセンターは「電話をなくす」のではなく「AIと人のハイブリッド応対」にシフトし、チャネルとしての電話の価値を「再定義」しています。

これにより業務負荷の軽減、品質の安定化、CX向上につながっており、まさに「今の時代に合わせた進化」を遂げつつあるのです。

コールセンターの未来像を示す先駆けとなっている両社の取り組みが進めば、「電話が怖くて退職する」などの若手流出は防げそうですね。