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岩田 徹

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第232回 不振からの脱却

2025/05/30

Jリーグ、横浜Fマリノスがクラブ史上初の7連敗を喫し最下位に低迷しています。
近年、常にリーグで上位争いをし、昨年はアジアで準優勝を果たすなど、
強豪として名を馳せているチームです。
アタッキングフットボールと命名された攻撃的なスタイルでリーグを席巻。
ボールを支配しながら次々と選手がゴールに向かって押し寄せてくる。
そんな魅力的なサッカーを展開しているチームが、今年は思わぬ苦戦を強いられています。
開幕して16試合を戦い終えての成績は1勝5分10敗。
近年の強さを知っている多くのサッカーファンからは信じられない数字になっています。
今年就任したばかりのスティーブホーランド監督は解任され、
チームの建て直しを急いでいるという状況です。

ここからは想像ですが、これだけ負けが続きチームが不振に陥ると、
チームの雰囲気も良くないように思います。
自分たちが取り組んでいることが本当に正しいのか、
今年就任した監督が出す指針ではなく、前年まで取り組んでいたやり方が良いのではないか。
練習ではうまくいっても試合でうまく結果が出せない。
次の試合を迎える短期間で状況が変化し、本当に勝利できるのか。
自信を失ったり、疑心暗鬼になるように思います。

サッカーは野球と違い点数が入りにくいスポーツです。
だからこそ、点が入らないことに対する悩みは大きいかと思いますが、
点を失った時の落胆がより大きいスポーツだと勝手に思っています。
勝ち続けているチームだとたとえ失点しても、残り時間があれば追いつき逆転できる。
と、ネガティブになりすぎず前を向けると思います。
が、負けが続いているチームだと、「また今日もか。」と気持ちがネガティブになりそうです。
全員が必死に動いているようで、どこかで誰かが守備の手を抜いている。
どこかで考えのズレが生じ、相手に弱点をつかれている。
なぜなんだ、どうしてなんだと、思考が混乱しマイナス思考に陥る。
結果、また負けてしまい、負の連鎖を生み出す。
選手同士でも自分ではなく他人に矢印を向けたり、
ファンやサポーターも不甲斐ないチーム状況に様々な意見を述べてきます。
こうなると負のスパイラルからの脱却が難しくなります。

何か劇的な刺激を与え状況を打開することが必要かもしれません。
マリノスもこれまで追い求めたスタイルを一旦手放し、
新しいスタイルにチャレンジしているようです。
直近に行われた7連勝中の首位鹿島アントラーズとの試合ではそれが功を奏し、3-1で快勝。
久しぶりにチームに笑顔が溢れました。
これをきっかけにチームを浮上させることができるか。
ここからの戦いに注目です。

会社、組織でも業績が悪い時は社内の雰囲気も良くないと思います。
その時、一人ひとりが自分ではなく他に矢印を向けていないか。
他に矢印を向ける人が多くなればなるほど、
不信感が広がり、不振から脱却するのは困難になります。
何がきっかけで浮上できるかはやってみないとわかりません。
何の解決にもつながらない不平、不満を言い続けるのではなく、
自らに矢印を向けて思考も行動も変えていくことが必要なのだと思いました。