今回は、
「これからの時代、人材を採用しない選択肢が増えていく」
というテーマで、書かせていただきます。
最近、企業の社外の人事部長として、
これまでの常識が揺らぎ始めているのを感じています。
特に、人材採用についてです。
これまで企業成長のために
「人を増やす」ことが当たり前とされてきましたが、
これからの時代、その常識が変わりつつあります。
人材を採用しない選択肢が増えていくのです。
その背景には、いくつかの要因があります。
まず一つ目は、テクノロジーの進化です。
AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術が進化し、
これまで人が行っていた業務を
自動化できるようになりました。
例えば、経理業務やカスタマーサポートなど、
かつては人手に頼っていた業務も、
今ではソフトウェアが担うことが
できるようになっています。
これにより、企業は新たな人材を採用することなく、
生産性を維持し、
さらには向上させることができるのです。
二つ目は、働き方の多様化です。
フリーランスや業務委託、
ギグワーカーの台頭により、
企業はフルタイムの従業員を雇用せずに、
必要な時に必要なスキルを持つ人材を
外部から柔軟に調達できるようになりました。
これにより、固定費を抑えつつ、
業務の効率性を高めることが
可能となっています。
企業はプロジェクトごとに
最適なリソースを組み合わせることで、
よりスピーディーに、
そして柔軟に事業を展開することができるのです。
三つ目は、企業文化や価値観の変化です。
企業は今、従業員を「家族」として捉えるよりも、
プロジェクトベースでの協力者として
捉えるようになっています。
これは、組織がアジャイルであることを
求められる時代の流れにも合致しています。
全員が同じ目標に向かって働くことが必須ではなく、
必要な時に必要なスキルを持つ人が集まり、
その都度成果を上げていく、
そんなチーム編成がこれからの
スタンダードになっていくでしょう。
もちろん、人材を採用しない選択肢が
すべての企業にとって最適とは限りません。
業種や業態によっては、
人材を採用する必要があることはもちろんです。
しかし、少なくとも一度は
自社にとって最適な人材のあり方を
考え直す時が来ています。
固定費削減やリソースの最適化、
そして新しい価値観に基づいた働き方の導入など、
さまざまな角度から自社の未来を見つめ直し、
最適な戦略を模索することが求められているのです。
これからの時代、
企業が成長を遂げるためには、
従来の「人材採用」という枠組みを超えた
新たな選択肢を考える必要があるでしょう。
そのために、私たち社内外の人事部長もまた、
従来の枠にとらわれず、
新しい人材戦略を構築していくことが求められています。