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岩田 徹

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第189回 勝ちパターンの複線化

2024/07/26

夏の甲子園の出場校が各地で決定しています。
月末までには全ての都道府県代表が決定し、いよいよ本大会が始まります。
熱中症アラートが発令されている中での戦い。
天候や気温に左右されることなく、高校球児が最後まで悔いのない試合を繰り広げてくれることを願うばかりです。
日陰がほぼないスタンドで応援する方々も大変です。
どうか無事に最後の試合を見守っていただきたいです。

この非常に厳しい暑さの中、高野連も必死の対策をしており、3回、5回、7回には休憩時間を設けて、水分補給や体力回復を行っています。
また延長戦になった時はタイブレーク方式を導入し、ノーアウト1.2塁から攻撃が始まるようになっています。
この夏の予選も、休憩時間明けのタイミングで流れが変わったり、延長タイブレークで劇的なドラマが生まれていました。

延長タイブレークは、9回までの戦いとは全く別物です。
ノーアウト1.2塁は絶好の得点チャンス。
先攻はいかに点を取って相手にプレッシャーを与えるか。
後攻はいかに失点を防ぎ優位に持ってくるか。
その凌ぎ合いが一発勝負の高校野球であることも相まって、実にヒリヒリした緊張感を持って観戦できます。
打順、それまでの打席での投手との相性、相手の守備陣形を見ながら攻撃のサインを出します。
守備側も相手の進塁を防ぐための陣形を敷いたり、牽制球で釘付けにしたり。
何度も何度も練習を重ねていることが容易に想像できます。
それを先攻時、後攻時とパターンを変えて練習しているでしょう。
また先に点を取られたパターンや、先に点が取れなかったパターン。
1点差なのか2点差なのか。
様々なシチュエーションを積み重ねてきたでしょう。
ただ練習と本番では圧力のかかり方が違います。
負ければ終わり。
この重圧はどれだけ練習を積んできても体験のできないものだと思います。
そこでいかに冷静になり、練習通りのプレーができるか。
その場で遭遇する場面をいかに想定内にするか。
自分たちの勝ちパターンをいかに複数持っているか。
そのことが精神面にも左右されると思います。
この夏の甲子園でも延長タイブレークの試合はあるでしょう。
一球一球に全力を尽くす高校球児の戦いに注目です。
企業経営においても、複数の勝ちパターンを持っている会社や人材は強いです。
変化の激しい時代において、日々鍛錬する必要がありますね。