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益田 和久

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第174回 オンライン研修

2024/07/04

6月はオンライン研修が2件ありました。
自身が登壇する研修と、他の講師にお願いする研修です。
いずれもお客さまからは一定の評価をいただきましたが、振り返りをしたときには反省点がいくつかありました。

オンライン研修は、仮想空間での講義が前提です。
物理的にも精神的にも、また講師も受講者も「空気(雰囲気)を感じにくい、伝わりにくい」のが、誰しもが感じる特徴だと思います。
だからこそ、講師と受講者、受講者相互の距離感を埋めていけるかがポイントになります。
ウェビナー形式であれば一方通行でも構わないと思いますが、やはり発信する方としては、満足度や理解度の追求には貪欲であるべきだと思っています。

このコラムを連載した当初はコロナ禍がピークの時期で、オンライン研修のご依頼も多く、(オンライン研修の)経験も浅かったので、毎回の受講者の反応をみながら、また同業者に情報を聞きながら、手探り状態で研修品質の向上に没頭していた記憶があります。
4年間経験してきて、オンライン研修で工夫する点は以下3点に集約されると思います。

①オンライン研修は、“内職”し放題の環境です。
そもそもPCで受講しているうえに、他の人から手元は見えませんから他の作業をしていてもこちらはわかりません。
決して受講者に悪気がなくても、メールが入るとそちらに気をとられることがあります。
だからこそ、飽きさせない工夫は必要です。
例えば、PowerPointのアニメーションで変化をつける、講義とグループワークを交互に行う、適宜休憩を入れて仕事はその時間でやってもらうように予め案内をする等、いろんな手法があると思います。

②オンライン研修は、“アドリブが難しい”環境です。
私はライブ感を大事にしたいので、研修当日の雰囲気で進行順序を変えたり、グループ実習を追加することはよくあります。
ただこれは“ワンオペ”だからできることであり、別途オペレーターの方をお願いしている場合は、そうはいきません。
ですから事前にアドリブも想定した上での打ち合わせを行う必要もありますし、アドリブをやるにしてもオペレーターさんが準備をする時間を確保するために、早めの予告をしておかないといけません。

③オンライン研修は、物理的な距離があるぶん、理解度が見えにくいです。
確かに画面上で表情は見ることはできますが、やはり現場で直接顔を合わせているのとは違います。
だからこそ、こちらから距離を縮めていく必要があります。
一番良いのは、適宜受講者を名指しして、感想や気づきを伺うことです。
または、チャットや投票機能を活用して、気づきや学び、疑問などを回答してもらう。
こちらは、全体傾向が一度に把握できるので、とても合理的です。

改めて思いましたが、オンライン研修は、事前準備が重要であることを改めて感じました。
研修会場への移動時間が軽減されますが、それを準備時間に充当するように、うまくできていることを再認識した今日この頃です。