HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

岩田 徹

ホーム > 岩田 徹 > 記事一覧 > 第185回 育成式か生き残り式か 

第185回 育成式か生き残り式か 

2024/06/28

連日の活躍が報道されているドジャースの大谷翔平選手。
もはや世界一の選手と言って良いと思いますが、
その活躍ぶりは同じ日本人として誇りに思います。
私が子供の頃は、日本人メジャーリーガーは遠い夢の世界でしたが、
野茂英雄選手を皮切りに続々と海を渡り、
イチロー選手や松井秀喜選手など、数々の主力選手が活躍してきました。
今も大谷選手だけでなく、ダルビッシュ選手、今永選手、鈴木選手など、
多くの日本人メジャーリーガーが活躍しており、誇らしいです。

高校卒業と同時にメジャー挑戦を公言し、
日本のプロ野球からの指名を拒否していた大谷選手。
その大谷選手を強硬で指名し、見事口説き落としたのが日本ハム。
当時の栗山監督の熱意と誠意だけでなく、球団を挙げて大谷選手の獲得に奔走しました。
このコラムでも取り上げた夢への道標というタイトルの企画書。
相手の心を動かし、こちらの提案を受け入れてもらい行動してもらう提案書として秀逸です。
営業の仕事や企画の仕事をしている方は是非一読をお勧めします。

その企画書で日本ハムは、大谷選手が持つ
二刀流として一流のメジャーリーガーになるという夢を共に叶える、
という目標をずらさず、それをいかに達成するのか、その流れを提案したのです。
そこには人材育成型の日本プロ野球界と、
生き残り式のメジャーリーグの違いが書かれていました。
高校卒業時でまだまだプロとしての体が出来上がっていない段階で、
肩や肘を酷使し消耗することで選手寿命が短くなること、
また二刀流が不可能になる可能性も示唆。
二刀流に耐え得る体づくりを行いつつ、怪我をしにくい体づくり、
実践を通した二刀流でのリズムの構築。
長い視点で提案し、球界の宝として大谷選手を育てた日本ハムがあったからこそ、
今の活躍へとつながっていると思います。
もしアメリカにわたり、18歳で二刀流でアピールするために、
日々死闘を繰り返していたら大きな怪我を負い、今の活躍はなかったかもしれません。

今年は残念ながら投手としての大谷選手は見れませんが、
打者として3冠王とMVPの獲得。
そしてチームでワールドシリーズ制覇を成し遂げる。
そんな姿を見てみたいと、多くの野球ファンに思わせる大谷選手。
今後も活躍に注目です。

長期展望に立って人材育成をしていき、
チームとしても個人としても目標達成できるような、
そんな会社づくりができれば最高ですね。