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高松 秀樹

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第167回:商人の極意

2024/02/24

「怪鳥」なる肩書きを名刺に記載していた、「大同創業」の創業者、矢野さんがお亡くなりになりました。

われわれ庶民の日用品を数多く揃えた「100均ショップ」の草分け的存在、「ダイソー」ですが、当初は「安物買いの銭失い」などと陰口をたたかれながらも、「利益を度外視してでも良いものを!」と「原価98円」の商品ですら「100円」で売り続け、その地位・存在感を積み上げてきたそうです。

・会社は潰れるもの
・自己否定すること
・行き当たりばったり

などの「ネガティブな考え」も持ちつつ、

お客様第一を追求し、「お客様に飽きられたら終わり」と、ゲーム感覚で「楽しめる商品」の開発と売り場づくりにこだわってきました。

その独自の経営哲学は、大手新聞にて「100円の男の哲学」として連載もされています。

「固定観念」にとらわれない発想力、行動力の背景には、「9回の転職」を繰り返した挫折の人生が存在しているようで、自らを「運もなければ能力もない」と語っていたほど、後ろ向きだった性格を否定しようと、改名もなさっています。

昨年お亡くなりになられた「イトーヨーカ堂」創業者の伊藤雅俊さんとの付き合いもあり、伊藤さんが社員に怒鳴りながら指示を出す姿を目の当たりにすると、「経営者は泰然自若するものでなく、目の前のことに必死になって働くこと。社員には叱る方が優しい」と、以後は「日本一怒る社長」に徹したとのこと。

一方で、先述した名刺以外にも、大きな文字で「ありがとう」が記載された別の名刺も用意し、周囲に「ありがとう」を何度も何度も伝えていたようで、「ありがとうを繰り返し言えば、本当に物事が良い方向に転がるんだ」とも語っていたようです。

矢野さん、ダイソーさん、いつもありがとう!!