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岩田 徹

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第167回 意図を持った練習

2024/02/23

サッカーのイングランドプレミアリーグで活躍する、日本代表の三笘薫選手。
三笘選手と言えば相手を翻弄するドリブルで有名です。
Jリーグ、川崎フロンターレに入団したルーキーイヤーもそのドリブルで
何度も何度も相手を抜き去りゴールを連発。
1年目から13得点12アシストと突出した成績を収めました。
左サイドで三笘選手がボールを持つと次に何が起こるのか、
スタジアムに詰めかけた観客は大きな期待を持って観戦する。
そんな選手です。

その三笘選手が将来プロを目指す川崎フロンターレの下部組織の選手たちから、
多くの質問を受ける場面がありました。
「三笘選手はどうしてそこまでドリブルで相手を抜けるのですか?」
三笘選手から少しでも学ぼうと、後輩たちの視線は真剣そのもの。
数秒の間を置いて三笘選手は多くの経験談を語りました。
「それはもう、めちゃくちゃ練習したよ。」
「1対1の練習は数え切れないくらい。いろんな選手とやった。」
「相手の動きを見て、どう逆を取るのか。自然と体が反応するまでとにかく練習をした。」
「とにかく場数だね。場数を踏まないと身につかない。」
「場数を踏む中で、初速のスピードが必要なのか、立ち止まって再加速する時の
反応の速度を上げるのか、体をぶつけた時のパワーが必要なのか。
その目的によって練習の仕方も筋トレの仕方も変わるよね。
なんのためにする練習なのかを常に考えていた。」

短い時間で回答していましたが、自らが作り上げた世界でも武器となるドリブル。
どんな練習をするのかが大事なのではなく、何のためにその練習をするのか、
常に考えて実践することが大事だと伝えていました。

仕事においても同様のことが言えると思います。
ただ言われた仕事をこなすのは仕事ではなく作業。
仕事ができるようになるには場数も当然大切ですし、
場を経験することで浮き彫りになった課題は、練習で補強する必要があります。
できる人間になるために、単に日々を過ごすのではなく、
目的や意図を考えて仕事に取り組む必要があると思います。
その積み重ねは数年、数十年でとてつもなく大きな差になって現れます。
年老いてから気づいても取り返しがつきません。
早いうち、若いうちに様々な経験を積み、
できる領域を増やしていくことが、将来の身を助けることになります。
今さらと諦めて再出発しないか、今からと踏ん張って再出発するか。
最終的に選択権は自分にあるので、未来を切り拓く選択をしたいですね。