企業などの組織が
新しい人材を採用する際、
その候補者が
「世の中にいないような人」であることは、
中小企業であれば、よくあることです。
新しいアイデアや異なる視点を持つ
人材を採用することは、
多くの場合、
組織の進化や革新に寄与しますが、
そもそも「世の中にいないような人」を
探す旅(人材採用)に出てしまうと、
多額の費用だけかけて、
本来のゴールである
人材を採用することができないという
ジレンマに陥ってしまいます。
今回は、なぜ「世の中にいないような人」を
採用することが
上手くいかないのか、
考えていきます。
まず、「世の中にいないような人」を
採用していこうということは、
鉱山で「金」や「ダイヤモンド」を
採掘するようなもので、
採掘するまでに、
多額の投資が必要であり、
大人数の人材が必要になります。
鉱山で「金」や「ダイヤモンド」を
採掘することは、
多額の投資が必要であり、
大人数の人材が必要なので、
生半可な気持ちで
取り組めることではありません。
なので、「世の中にいないような人」を
探そうとする人材採用は、
特に、中小企業には適さないワケです。
そして、「世の中にいないような人」は、
概して、能力やスキル、キャリア、スペックが高く、
必然的に、報酬が高くなる傾向にあります。
大企業であれば払える報酬も、
中小企業になると、
大企業ほどの報酬は
払えないということが多々あります。
実際、私が前職時代に
いただいていた報酬(給与、賞与)や
雇用に伴う経費(社会保険、交通費、その他)を含めると
年間で1,000万円ほどかかる人材でした。
人事部長という役職であったので、
それなりの報酬や経費がかかっていたのですが、
年間1,000万円ほどを払い続けることは、
中小企業としては、
覚悟と払うための原資が
必要になってくるわけです。
また、「世の中にいないような人」を
仮に採用できたとしても、
入社後に、
能力やスキル、キャリア、スペックが高い人を
使いこなせるかという問題も出てきます。
「世の中にいないような人」は、
その候補者は組織の既存の文化や価値観と
異なることがあります。
これは、新しいアイデアや視点を
導入しようとする試みと
対立する可能性がある点です。
双方の文化の不一致は、
組織内の協力や協調を妨げ、
困難な調整作業を必要とすることがあります。
このようなことから、
「世の中にいないような人」を採用する際には、
慎重な検討が欠かせません。