農機具メーカーのクボタが、日本初の遠隔監視無人農機を2026年に実用化することになりました。
AIカメラを通じて人や障害物を認識し、農場から離れた場所での作業を監視します。
複数の農機を同時に管理できるので、作業負担を軽減できます。
就農人口が減少する状況において、農業生産を効率化し若い世代の担い手確保につなげます。
実用化する無人農機はトラクター(牽引車)、田植え機、コンバイン(収穫機)の3機種。
農水省が定める農機自動運転基準「レベル3(使用者が農機に搭乗せずに遠隔地から農作業を監視できる水準)」に相当し国内初とのこと。
ちなみに「レベル2」相当は、無人農機はレーザーや超音波で障害物を検知する仕組みで、農場近くで目視監視の必要があります。
私の祖父母が故郷鹿児島でクボタの代理店を営んでおりました。(現在は廃業)
鹿児島県は第一次産業が主産業であり、私が幼少期の半世紀前は今よりも多くの農家がありました。
それだけ農機具の需要も高く、商売も繁盛していたと聞いています。
それも過去の話で、近年は確実に農業就業人口は減少しているようです。
農業就業人口減少に反比例して農業法人は増加していますが、全体のデータを見ると高齢化が進み、働き手の数としては横ばいが続いている状況のようです。
今後のことを考えると、遠隔操作や無人化作業の強化は必然なのかもしれません。
他の職種でも同様のことは進んでいることを感じます。
大手ゼネコンのロボティクス事業部では、高所作業や危険区域での遠隔作業用ロボットの開発に力をいれていますが、この背景には作業員の人手不足があります。
また体力的な理由で現場作業が難しくなった高齢の職人さんが、遠隔でも作業できるようなロボットも開発して、ベテランのノウハウや労働力の活用も検討しているようです。
AIとの共生は今後の労働人口動態を考えたときに、避けて通れない問題だと思います。
事務職では、単純作業や連続(定期的)な行為をAIが担うことで業務の合理化、効率化が着実に進んでいます。
農業や建設業等の肉体労働を伴う仕事は、実労働そのものをAIとロボットを使いこなし、新しい事業展開を進めることになるのでしょう。
世間では「超・少子高齢化」「人生100年時代」「AIとの共生」というキーワードが叫ばれていますが、自分事として真剣に向き合うときがきていると思います。
時の経つのは早いもので、今年も9月に入ります。
1年なんてあっという間。
5年、10年という時間もすぐにやってきます。
自分の今後のキャリア、事業展開も含め、少なくとも直近の課題を再確認しようと思った今日この頃です。