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岩田 徹

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第140回 長髪の高校球児

2023/08/18

連日熱戦が繰り広げられ、最後まで諦めない姿勢に感動を覚える高校野球。
今大会からという訳ではないですが、
浜松開誠館高校の赤とグレーのユニフォーム、
高知中央高校の赤の縦縞など、様々な色のユニフォームがあり、時代の変化を感じます。

私が高校球児だった頃、
大阪府の高野連は縦縞のユニフォームすら認めていない時代でした。
そのため縦縞のユニフォームが特徴の東海大系列の高校でさえ、
白地のユニフォームでした。
また高校球児といえば丸刈り。
私も五厘刈りにしたり、ミリ単位での坊主頭の変化を楽しんでいました。
そんな髪型も丸刈り一辺倒ではなく、長髪の選手、チームも目立つようになりました。

純粋にテレビで観戦していると、長髪の選手を見ているとどこか大人びていて、
前述の浜松開誠館高校の選手は特徴的なユニフォームと相まって、
大学野球や社会人野球の選手のように感じました。
それでいて体も大きいので、実際に高校時代の私が対戦していたら、
試合前に多少の威圧感は感じていたかもしれません。

髪型自由の高校で今大会も出場している慶應高校。
慶應ボーイと言われるほど、都会でおしゃれな印象を持たれがちな学校です。
そのため、長髪の高校球児が爽やかにプレーするだけで批判の対象になったりもします。
ですが、髪型とプレーに因果関係はなく、
直向きに目の前の相手に挑む姿は心揺さぶられるものがあります。
慶應高校の森林監督が高校球児の髪型に対して、
「坊主頭にしていること、それ自体は大きな問題ではない。」
問題なのは、
「高校野球と言えば坊主頭が主流。そこから飛び出るのは嫌だな、と考える同調圧力。」
「昔から坊主頭が当たり前だからそれでいい、という思考停止。」
だと答えています。
慶應高校では髪型自由なので本人が望めば坊主頭も認めているそうで、
100名ほどの部員で若干名は坊主頭の選手もいるそうです。

指導者側が押し付け、選手の思考を停止させることは、
短期間でチームを作り上げるには良い方法かもしれません。
が、選手個々の主体性は身につかず、高校野球を離れてからの人間形成にも
大きな影響を与える可能性もあります。

会社経営や組織運営においても、同調圧力や思考停止はないでしょうか。
私も組織に属していた人間ですので、少なからず経験はあります。
自ら考え、自ら改善行動をし、仕事のレベルを高めていくには主体性は必要不可欠。
高校野球を見ながら組織運営を改めて考えるきっかけをいただきました。