HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第89回 原因の切り分け

第89回 原因の切り分け

2022/11/17

PCやタブレットの操作が不調のときには、社内のIT担当にサポートしてもらっています。
コロナ禍以降は、オンライン研修やリモート業務も増えてきたので、比例してサポートしてもらう機会も増えました。
(微力ながらも)私自身のリテラシーも高くなってきたので、ネットで検索すればある程度のことは対応できるようになってきています。
必然的にサポートを依頼する内容は、手間のかかるものや複雑なものになります。

弊社IT担当は非常勤のリモートワークでお願いしているので、時間が合うときには出社して直接デバイスをチェックしてもらいますが、ほとんどはリモート対応です。
電話やZoomで状況をヒアリングしながら、こちらにデバイスの操作指示をすることもあれば、PCをリモート接続して直接操作することもあります。
大手通信会社の技術者出身だけあって、知識も技術も経験も幅が広いなぁと感心することばかりなのですが、改めてその対応の仕方(進め方)に学ぶところがあります。

それは「原因(要素)を切り分けながら問題を特定していく」ことです。
これは、WindowsやAppleにサポートを依頼したときも同じことがいえます。
不具合(困った症状)を確認したら、その原因と考えられることを、一つひとつ確認していきます。
「ここの設定はどうなっていますか?」「ここにチェックをいれてみてください」等、質問や指示を通して、問題解決を進めていきます。

弊社のデバイスや通信環境を把握していることもあり、内容によってはあっという間に解決していくのですが、社外の場合だとそんなにスムーズにはいきません。
オンライン研修のときに、参加者(社外)のデバイスの不具合等のトラブルシューティングを、電話サポートで対応するのですが、PCの初期設定や通信環境も違うので、最初から確認していく必要があります。
加えて、少しでも早く解決してあげないと、その方は研修に参加ができないので、確認する箇所の優先順位も重要になります。
そして、その方のリテラシーも未知数ですので、質問や操作指示の「言い方」も考えないと、思った通りに進まないわけです。
後から状況報告を聞きますが、一定のセオリーがあるのだなとつくづく感じます。

そういった背景を踏まえ、最近研修の中の話しで出てくるのが、新入社員に対する指導の仕方です。
新入社員、指導員(上司先輩)の共通の問題として出てくるのが、「わからないことがわからない(説明できない、把握できない)」という問題です。
業務を把握できていない新入社員でありがちな状況です。
こういったときに活用したいのが先述した「原因(要素)を切り分けながら問題を特定していく」流れです。

指導員(上司先輩)側も、いろんな質問を投げかけてはいるようですが、それが思いつきのものや経験則に頼るものが多いのです。
ですから、その内容や対応する人によってバラツキもあります。
これを体系的なものにできないかという取り組みを、研修やコンサル現場でワークショップ的に実施しています。
質問の仕方、順番、視覚資料の活用等、関係者のノウハウを集約していくと、一定の流れが出来上がってきます。

教える人によって、仕事を覚えたときの手順や勘所も違うので、教え方が違うのは致し方ないのですが、ある程度標準的な流れの形成は必要だと思います。
教える側、教わる側のコミュニケーションが円滑になることで、人の成長も業務新興も比例してスピードアップできるのだと思います。
そのためにも「経験則を体系化する」というコンサルタントとしての本業に、改めてじっくり取り組んで行きたいと思う今日この頃です。