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星 寿美

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第82回 「うちは特別だから!」は解決を難しくさせる

2022/11/14

おかげさまで、のべ50社以上の企業様と深く関わらせていただき、社長やリーダー、社員さんたちの悩みを聴いてきました。

それで気づいたのですが「うちは特別だから」と言う組織が非常に多いのです。
もちろん、状況・環境・条件などは組織ごとに異なりますが『問題の本質』はどこも同じです。

私の感覚では「うちは特別」と言うケースはほとんどありません。
にもかかわらず、なぜどの組織も「うちは特別だから」と言うのでしょうか?

・解決できないと思っているから
・無意識の言い訳にしているから
・「うちは特別」と言う意識を外したらどうなるのか?

この3つの観点から考察したいと思います。

解決できないと思っているから

うちは特別と思う気持ちもよく理解できます。
例えば、

『リーダーが手強い性格の人で、思うように進めることができない』
『社長がワンマンで社員のいうことに耳を貸さない』
『関係性が悪い風土が脈々と続いていて改革が難しい』

など、自分ではどうしようもない、強烈な理由があって「とても解決なんてできそうにない!」と感じているときに、うちは特別って感じるからです。

だから、気持ちはよ〜く理解できるけれど、実は・・・多かれ少なかれどこも同じなんですよね。

無意識の言い訳にしているから

解決できないと思っている、と近いのですが、さらに『言い訳』にしている場合もあります。

「うちは特別だから仕方がないんだ」「他の会社の人にはわからないよ。こればっかりは中を知らないとね。」

本当は、どこもそう変わりはないのにもかかわらず、隣の芝生は青く見えるのか・・・
「絶対に理解はできないよ。うちは特別なんだ」と強い言い訳にしている話も耳に入ります。

「うちは特別」と言う意識を外したらどうなるのか?

実際は、どこも似たり寄ったりで本質は同じ、という場合がほとんどです。
だから「うちは特別」という意識は必要ないと私は感じます。

では、実際に「うちは特別」という意識を外したらどうなるのでしょう?

もし、全然特別じゃないとしたら「今の現状がどうなったらいいのだろうか?」「本当はどういう組織にしたいのだろう?」「何をどう解決したいと思っているんだろう?」など『本当はどうしていきたいのか?』という思考がしやすくなります。

『特別だ』と感じているから、解決(改革)を諦めているし、言い訳にしているからです。

だから、その意識を外して「いや、実は、どこも似たり寄ったりだ!その似たり寄ったりの中で、解決(改革)している組織もある。じゃぁ、うちは、そもそも、どうしたいんだろう?」

このように『どうしたい?』という未来の理想を描ければ、そこに向かおうとするエネルギーが出てきます。現状を把握して、どうしたら改善できるのかアイデアを出し合えます。

「うちは特別だから」という意識は、できないと思い込んでいるか、言い訳に使っているか、だけなので・・・

社内で「うちは特別だから」という人を見かけたら

「そう感じているんだね。実はどこも同じようなもんみたいよ。もし、特別じゃないとしたら、どうなったらいいと思う?(どうなりたい?)」

と聴いてみましょう!

もし、そのときに愚痴が出てきたら、まずはそれを全部肯定して聴きましょう。
聴き続けていると、あるとき勝手に「あ、でもうちの会社、こんないいところもあるよね」と本人が言い出します。
そのタイミングで、どうなったら嬉しいのか聴いてあげたらいいかもしれません。

心が愚痴でいっぱいの時には、心に余裕がなくて未来を描くスペースが不足しているからです。

未来のビジョンを出し合える関係の中で、どうしたら実現できるか対話できるなら、もうそのこと自体が、未来へのプロセス・・・

なので「うちは特別だから」という言葉にぜひ敏感になっていただきたいと思います。
そして、その思考を外して、未来のビジョンを出し合い、現状把握して、TODOを決めて、チームで取り組んでみてください。

きっと解決(改善)していけるはず!
それを今まで関わった組織が、たくさん見せてくれました!
ぜひチャレンジしてみて、成果を教えてくださいね!