第73回 経営者のレジリエンス(23)経営者のセルフ・マネジメント(まとめ)
2022/11/08
前回は、経営者のレジリエンス(22)経営者のセルフ・マネジメント(タイム・マネジメントIV)でした。 統計的な内容からご自分のタイプや落とし穴などを理解していただきました。
今回は、「経営者のセルフ・マネジメント(まとめ)」というテーマで、お話をしましょう。
経営者のセルフ・マネジメントとは何か
ここまで観て来た経営者のセルフ・マネジメントは、ストレス・マネジメント、ヘルス・マネジメント、タイム・マネジメントにわけて考えることが出来ました。
ストレス・マネジメントの項では、多岐にわたる経営者ならではのストレッサーへの対処法などを扱って来ました。
また、ヘルス・マネジメントの項では、社長自らが組織の健康を推進する必要性について理解していただきました。
タイム・マネジメントの項ではその必要性、コツ、タイプ別の特徴や落とし穴、対処法などを扱って来ました。
セルフ・マネジメントのコツ
経営者だけでなく、セルフ・マネジメントを出来る人だけが人生の成功者になれる(ちょっと大げさですが)と言えるのです。
金銭的な成功だけではなく、生き甲斐が仕事になることが理想です。
セルフ・マネジメントは、実は誰にでも必要なスキルであり、他者とのコミュニケーションや人間関係を適切なものにしていくためのコツでもあるのです。
感情のマネジメント
感情のマネジメントはセルフ・マネジメントのもっとも重要な要素です。
感情をマネージするためには、2つのステップがあります。
①自分の感情に気づく
誰でも感情があります。
その正直な感情に気づくことがまず重要なことです。
いらいらする、怒りの感情を覚えるなどもそのまま受け入れ、自分自身の一部であると認めることです。
ただし、プラスの感情もあるはずですから、そうしたものも発見する努力をします。
②感情を手放すスキルを取得する
自分の感情は、怒りの感情などが悪いということではなく、それをどう手放すことが出来るのかが重要なのです。
高僧の話
ある偉いお坊さんが弟子たちと旅行をしていました。
峠に差し掛かると、弟子たちに「あの茶屋の娘さんは綺麗だのう」とつぶやきます。
弟子たちは30分くらいしてからお師匠様に「お師匠様でも色香に迷うことがあるのでしょうか」と問いかけます。
お師匠様は「お前たちはまだ娘さんのことを考えていたのか。私はもう忘れてしまったよ。」
このように時々の感情をずっと抱えていて頭がいっぱいになることは、感情に操られていることなのです。
高僧のように、感情を手放すことによって、こだわりなくどのような状況にも対応できるのです。
レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。
toshiro@miyamacg.com (筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ