時代の転換。その言葉が大きな波となって今押し寄せようとしています。
日本人の採用ができない穴を海外の、特に中国や東南アジア系の人に頼っていた飲食業界における採用の在り方が、近い将来崩壊することを踏まえたこれからの時代の採用育成モデル作りに今から取り組んでいくことが求められています。
なぜ外国人に頼ることができない時代が来るのでしょうか?
その理由は大きく分けて2つあります。
しかもその理由は大きく関連しあっています。この2つの事情がいい方向に変わっていかない限り、外国人人材に頼れない時代は待ったなしで、近い将来訪れることになります。
一番大きな理由はこの内外価格差による日本の賃金レベルの低下である。
日本は1991年時点ではアジアでは圧倒的に賃金が高い国でした。
世界一金持ちが多い国としても知られていました。
しかも、物価もアジアで一番高い国で、世界の中でも5番以内に入る国でした。
しかし、この1991年から30年以上賃金がほぼ上がらず、むしろ下がっているのが現状です。
賃金が上がらない中でもう一つ上がらないのが物価です。
デフレと言われる傾向が30年にわたり続く中で、日本人の思考しのものが安くていいものを求める思考に変わってしまいました。
その思考が蔓延してしまったこと自体が賃金上昇できない理由の一つでもあるにも関わらず、わがままな人が増え、一方で賃金を上げることを求めようとする。
でも安くていいものを提供しようとすればするほど、賃金は上がるどころか下がっていきますね。
その状況に気づかないまま、アジアをはじめとした日本以外の国では、じわりじわりと賃金や物価が上がっていきました。
そして30年を経た今起こっていることは、日本がアジアでも最も安い国の一つになっていっている現実でした。
昨年には韓国に年収が抜かれ、マクドナルドのビッグマックの価格も、韓国より安くなりました。
今賃金水準はタイと同じくらいになっています。
ビッグマックの価格はタイと同じになりました。
中国の大連や上海、香港などの地域では、賃金水準や物価は日本の1.5倍近くになっています。
シンガポールには2倍近く差をつけられています。
さらに欧米と比べると、比べられないくらい差が生じています。
アメリカには2倍の差をつけられており、日本で800円くらいで食べられる一風堂のラーメンがニューヨークでは1杯3000円もするのです。
しかもその価格に対して、アメリカでは決して高いと思われていないのです。
日本の物価や賃金が安くなりすぎたのです。
だから日本に出稼ぎに来ていた中国や東南アジアの人達にとって、日本で働くことは魅力的ではなくなったのです。
とはいっても、まだベトナムやカンボジア、フィリピンなどがある・・・と思いがちですが、数年後には確実に賃金水準も物価水準も抜かれることが確実視されています。
それくらいに日本は安い国になっているのです。
この日本が安い状況にさらに拍車をかけているのが、円安の進行なのです。
次回は外国人に頼ることができなくなるもう一つの理由である円安の進行についてお話していきます。
今回も最後まで御覧頂きありがとうございました。