先週末に開催されたサッカー天皇杯決勝。
例年であれば元旦の決勝戦が風物詩ですが、
今年はワールドカップがあるため、前倒しのスケジュールでの開催となりました。
天皇杯は日本のプロサッカーのトップリーグであるJ1のチームから、
地域の社会人チームや大学のサッカー部まで、多くのチームが参加し行われます。
都道府県の予選を勝ち抜いたチームとJ1、J2、J3のJリーグ勢が、
トーナメント方式で争います。
地域リーグや大学生は、プロリームを相手に波乱を起こそうと必死に戦います。
そのため、ジャイアントキリングが毎年発生する大会です。
今回の決勝戦はJ1リーグで3位につけるサンフレッチェ広島と、
J1チームを3チーム倒し決勝まで勝ち上がった
J2リーグで降格争いを抜け出したばかりのヴァンフォーレ甲府との対戦でした。
試合は前半にコーナーキックから見事な連携を見せた甲府が先制。
その後は広島にボールを握られ防戦一方の展開でしたが、集中した守りで耐え忍びました。
しかし終了間際に広島が同点弾を叩き込み延長戦へ。
延長後半、甲府がペナルティエリア内でハンドを取られPKに。
勝ち越し確実かと思われたPKを甲府がストップし、そのまま延長戦終了。
勝負はPK戦へともつれ込み、4人目のPKを止めた甲府が5-4で勝利し、
J1チームを4連続で破るジャイアントキリングを果たし、初優勝を飾りました。
この試合、甲府側のスタンド最前列で大きな応援フラッグを振り続ける
白髪で丸い背中をしたおじいさんに注目が集まりました。
木村和人さん、67歳。
甲府サポーター歴23年の熱狂的なファンでしたが、
7年前に奥様が乳がんを患い、その完全治癒の願掛けとして
「大好きな甲府の応援をしないでおくから、どうか再発しないでくれ。生かしてくれ。」
と、スタジアムでの応援を7年間控えていたそうです。
そんな折、日本一を掴むまたとないチャンス。
奥様にも許可を取り、甲府から東京国立競技場へフラッグ持参で7年ぶりの観戦となったようです。
試合後、肩を震わせながら涙するおじいさんの姿が画面に映りました。
甲府を応援することで全国、いろんな場所に行くことができた。
これからも応援し続けたい。行ける時は行きたい、と木村さん。
奥様も、
「応援しないとね、降格圏になりそうだったもんね。
頑張ってください、体の続くかぎり。」
と温かい言葉をかけていました。
激戦を繰り広げた両チームの選手たちの裏で、
スタジアムに駆けつけたサポーター一人一人にも、様々な想いがあるのだと、
改めてスポーツの良さを感じたシーンでした。
〜中小企業の採用・育成のヒント〜
目の前のプレーに全力で挑み、必死に戦う姿で見ている人の心を動かす選手たち。
贔屓のチーム、選手にのめり込み、声を大にして応援するサポーター。
チームがあるからこそ応援し、
応援してくれるサポーターがいるからこそチームも成り立つ。
プロスポーツチームのように、応援してくれるサポーターがたくさんいる会社は強く、
そして長く繁栄し続けるのでしょう。