第77回 『誰かのせいにしていたら解決しない』を解決する方法
2022/10/10
「人のせいにしていたら何も解決できない」って、誰もが十分に知っています。
けれど『無意識』で、誰かの・何かの、せいにして、課題がそのまま解決されずに苦しんでいる、そんな組織が多いのです。
なので今日は、経営者も上司も部下も、どんな立場のどんな人でも『誰かのせいにしていたら決して解決しない』ということについて書いてみます。
例えば『部下にもっと能動的に動いて欲しい』とか『どうしてこんなに頑張っているのに会社は理解してくれないんだ』『部署間連携ができていない』『決めたことを守らない』などなど、挙げればキリがありません。
そういう現場の『課題』が1年も2年も改善されていないのであれば、無意識のうちに『誰かの・何かのせいにしている』ことを疑ってみてください。
心のうちにこんな感情があったら要注意
経営者の場合
・「何度言っても同じことばかり繰り返す!」と部下にストレスを感じている。
・「もっと意見を出してほしい。積極的に取り組んでほしい!」と部下にストレスを感じている。
・「指示したとおりに動かない!報連相がなってない!」と部下にストレスを感じている。
上司の場合
・「指示したとおりに動かない!報連相がなってない!」とストレスを感じている。
・「会社の方針だから仕方ない。やらないといけない。」とストレスを感じている。
・「問題社員」に対する対応に頭を悩ませている。
部下の場合
・「会社の方針だから仕方ない。やらないといけない。」とストレスを感じている。
・「こんなに頑張っているのに会社はわかってくれない!」とストレスを感じている。
・「こんな風にしたらもっと良くなるのに、どうしてしないんだ?」とストレスを感じている。
これらは、実際に私が現場で聞いてきた言葉たちです。
このような言葉を使っている組織は、問題がなかなか改善されません。
そんな組織でまずやるべきこと
私はまず『関係の質』についてお伝えします。
成果を上げるためには『行動の質』が大事。
その『行動の質』を作っているのは『思考の質』で、その『思考の質』を作っているのが『関係の質』という、ダニエルキム教授の成功の循環モデルです。
『関係の質』→『思考の質』→『行動の質』→『結果の質』
ちなみに、成果=『結果の質』と一番元にある『関係の質』の間にある・・・
『思考と行動』は、何かを学んでスキルが上がる、という性質のものではなく、関係の質によって、同じ人間でも変化が生じるという性質のものなのです。
よく引き合いに出すのは、日曜日のお父さんと月曜日のお父さんの話です。
日曜日は、サッカーチームの子どもたちに「声だしていけ〜!積極的にいけ〜!」と言っているお父さんが、月曜日の営業会議ではダンマリを決め込んでいる。余計なこと言うと責任を取らされるから黙っています。
日曜日のお父さんと月曜日のお父さんは、どちらも同じ人。
関係性によって『思考の質』『行動の質』が変わるんですよという話。
そして、何かを学んだり、経験を重ねてのスキルの向上などは、この成功の循環モデルという土台の上に重なっていくものだと私は感じています。
学ぶことや経験は非常に重要ですが、まずは土台固めがもっと重要なのだと思うのです。
だから『思考の質』『行動の質』は、研修を受けさせて変わるものではなく、やはり『関係の質』でしか変わり得ないのです。
だから、全ての元には『関係の質』それがまず大前提です。
そして、じゃぁ『関係の質』はどうやってあげればいいの?というと、毎度この記事で書いている『ありのままを受容する関わり方』を意識すること。そこから始まります。
と、まず、このことを再確認していただきます。
この話が理解できていないと、表層的な課題解決の方に意識が行ってしまい、結局解決されない、ということを繰り返してしまうので、とても重要なすり合わせだと感じています。
そして関係の質を上げる、日々の活動の中で、解決思考を身につけていただきます。(解決思考については別の記事で詳しく説明しています)
簡単にいうと・・・
『①テーマ:問題は何か』
『②ゴール:どうなりたいのか?』
『③現状:今の状態』
『④ギャップ:どうしたらゴール達成できるか?』
を出して、④に優先順位付けして実践。
関係の質を高めながら、解決思考で課題をどんどんクリアし、現実を変えて行きます。
まとめ
「人のせいにしていたら何も解決できない」って、誰もが十分に知っています。
けれど『無意識』で、誰かの・何かの、せいにして、課題がそのまま解決されずに苦しんでいるのだ!と気づく!その現状に気づくことが解決の第1歩です。
知っているからこそ、見落とされがちなのだと思います。
言葉だけで伝えたら「そんなの知ってるよ!」って言われちゃうんです。
『知っているけれど、無意識でやってる。』←ここに気づけるかどうか?
そのために『関係の質』の話をして、実際に実践していただきながら解決思考で現実を変えていく。そんな実践を通じて『知っている!(けどできていない)』を『知っている、そして実践もして結果が出せる!』に変えています。
あなたの組織はいかがですか?