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益田 和久

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第80回 デジタルを活かすアナログ対応

2022/09/15

先月から今月にかけては、若手〜中堅社員向けの、仕事の進め方や段取りのポイントをテーマにした研修をやっております。
研修の中で「何に一番時間を取られているか」という問いかけに対しては「お客様の接客(電話)応対」と言う回答が多く見られました。
研修対象が、自治体や金融機関の直接お客様と向き合う職種の方が多かったこともありますが、他の業種でも同じことが言えるのではないでしょうか。
自治体や銀行の方々は、メールやチャットでお客様とやりとりすることは業務特性上難しいこともあり、電話や対面での応対が中心になるので、リアルタイムで想定以上の時間が過ぎていくようです。

コロナ禍になる前から、メーカーやインフラ企業は、お客様は電話や対面での応対をメールやチャットに切り替えてきました。
年輩の方から「問い合わせの電話がつながらない」というご不満を耳にすることがあります。
それに対して「結局はチャットやメールのほうが早いですよ」とお伝えすると「やり方がわからない」とか「どういう書き方をすればいいかわからない」という回答が返ってくるので、(時間があるときには)実際にメールやチャットでの問い合わせをお手伝いしてあげると「思ったより簡単だね」「こっちのほうが早いね」と言われる方がほとんどで、次回からはメールやチャットで問い合わせるようになるみたいです。

自治体では、住民票や印鑑証明等の書類取得は、カードがあればセルフで出来ますし、内容によっては役所に行かずともコンビニで対応しているものもあります。
マイナンバーが出来たのでその領域は広がっています。
インターネットや庁舎内の掲示物でそういった案内をしていますが、なかなか浸透しないケースも多いようです。
ですから、職員の方によっては、都度自分でできる手続きについての案内をして、次からはセルフでできるように啓蒙をしているわけです。
業務の合理化、効率化もありますが、相手も待たせることもありませんし、自分の都合のいいときにできるわけですよね。
自治体の場合は「強制」することはできないので「啓蒙」になってしまうのですが、丁寧にご案内するとたいていは「次からは自分でやってみる」と言われる方が多いと聞きます。

社内のシステムやマニュアルにも同じことが言えます。
業績向上や業務効率化をねらいとして、精度の高いシステムやマニュアルを開発しても、なかなか使用してくださらない方がいるのはよくあるケースです。
理由を聞くと「よくわからない」とか「新しいやり方は面倒」などという理由がほとんどです。
そこに対して「使ってもらわないと困る」というようなアプローチよりも「こういう使い方をすると便利です」というアプローチで、“使ってみるきっかけの場”を創ってあげると、少しずつは使ってくれます。
更にそこで、使いづらさを聞いてあげて、操作の細かなフォローをしてあげると、ある時点から主体的に活用するようになります。
あとは疑問点や不明点が出ても、自分で調べるようになる方が多いです。

デジタル化、オンライン化が進み、仕事の進め方やコミュニケーションの取り方も変わってきています。
インターネットで検索すれば、マニュアルで調べれば、メールで問い合わせれば、大抵のことはセルフでできることが多いです。
ただ、それは全ての人ができるわけではありません。
セルフで出来る人はいいのですが、そうではない「セルフでやっていただきたいけど、今はセルフができない人」をどうするか。
この方々は、最初でつまづくケースが多いと認識しています。
だからこそ、マニュアルやシステムを気持ちよく使っていただくためにも、初期段階で丁寧なアプローチが重要だと思います。

これから、人事教育の領域も、オンライン対応やデジタル対応の依頼がこれまで以上に増えてくると思いますが、現場の方々のスキルやマインドをよく観察して、導入の初期段階に力をいれることを心がけていきたいと改めて思った今日この頃です。