今夏の甲子園で優勝した仙台育英高校。
140キロを超えるスピードの投手を5人揃え、
ここぞの集中打と一つでも先の塁を奪う積極的な走塁。
盤石な戦いで一気に東北勢初の頂点まで駆け上がりました。
2017年に部内の不祥事があってから就任した須江監督。
付属中学の野球部顧問として全国優勝も果たしされている名監督です。
優勝後のインタビューでも心のこもった話をされていて、
甲子園の観客だけでなく、放送を見ている全国のファンの心も揺らす人格者です。
須江監督のマネジメントは、恐らくこれから様々なところで記事になると思います。
気合と根性、目に見えない精神性がどうしても語られがちな高校野球で、
明確な指標を明示し、徹底したデータ分析で選手を育てているようです。
それは須江監督自身の選手時代の補欠経験が元になっています。
補欠時代に感じていたこと。
それは、なぜ自分は補欠なのか、どうすればレギュラーになれるのか、
がわからなかったことだそうです。
どうすればレギュラーになれ試合に出場できるのか。
それがわからなければただ練習に参加するだけになりがちです。
須江監督は試合に出る基準を明確に指標として設け、
日々、選手の数値データを入力、分析し、選手とも共有。
課題を明確にし、どこをどうクリアすれば試合に出場できるのか、
レギュラーの候補となれるのかを明確にしているそうです。
それは一般的な打率、打点、防御率などの数値ではなく、
打った後の一塁までの到達スピード、塁間の走破スピード、
奪進塁、助進塁など、試合で得点を重ね勝つために必要な指標のようです。
明確に数値で表示されているため、選手もどこが強みでどこが弱みかが分かります。
また現レギュラーとの違いも明確であり、弱みや劣っている部分を
選手個々が認識することで、練習にも自主性、自発性が出てくるようです。
選手自らが課題に気づき、改善を重ね、その結果の数値を振り返る。
具体的なヒントを求め指導を仰ぐ。
その循環が生まれることで選手の伸び率は飛躍的に高まるのだと思います。
〜中小企業の採用・育成のヒント〜
補欠が補欠たる理由。
仕事において成果に結びつかない理由。
具体的に要素を分解し数値化し、自らが課題を認識してクリアしようと努力する。
人材を育成するにあたって大きなヒントとなる仙台育英高校の指導でした。