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益田 和久

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第75回 遠く離れていても

2022/08/11

コロナ禍初期の頃、緊急事態宣言により外出制限がかかったことをきっかけに「リモート飲み会(食事会)」が流行りましたね。
Zoomの無料プランだと40分が上限なので、そのときの状況に合わせて、40分セットを何度か繰り返すパターンでやっていました。
自分の状況に合わせて退出もできるので、一時期は結構ブームだったような印象があります(あくまで私見です)。
それが発展して、研修や会議の後にリモート懇親会を開催したことや、オンラインの同窓会で遠隔地の人と交流した事例は、以前の投稿で紹介しました。

今や、ビジネスにおいてリモート(オンライン)での打ち合わせは、スタンダードになりましたよね。
対面でやったほうが生産性の高い打ち合わせもありますが、ここ2年くらいで、リモート会議システムの機能向上や私たちのリテラシーアップもあり、たいていのことはリモートで対応できるのではないでしょうか。
時間的な短縮もそうですが、この猛暑のときは、リモートだと体力的にもありがたいですね。
特に営業担当者の方などは、リモートの打ち合わせが増えたことで、営業活動に集中しやすくなっていると思います。
私も銀行員時代のお得意様訪問や前職の営業担当時代は、暑さでヘロヘロになったことがしょっちゅうありました。
リモート一辺倒というわけにはいかないでしょうが、うまく活用して生産性はあげていきたいですよね。

先日テレビを見ていたら、85歳でYouTuberデビューした御婦人の特集をしていました。
ふとしたきっかけから、ご自身の暮らしの様々な場面を公開するようになり、開設2年で登録者数は8万人を超えるそうです。
企画されているのは16歳のお孫さんらしいのですが、そのYouTubeの内容もさることながら、ふとした一場面に目が留まりました。
ほぼ毎日、ご子息の家族と夕食を“リモート”で御一緒されているそうなのです。
iPad越しに会話をしながら夕食をとり、食べ終わったらお互いに片付けもあるのでそれで終わり。
翌日も決まった時間になると、iPad越しに普通に会話をしながらリモート越しで夕食を一緒にする。
メニューを合わせているかどうかまではわかりませんが、感覚的には2世帯住宅で夕食だけ一緒にとるような感じなのでしょうか。
特段珍しいような場面ではないのですが、これからの高齢化社会に対応する一つのありかたかと思いました。

年末年始やお盆、GWの長期休暇の際、高齢者に配慮した“リモート帰省”というスタイルも出てきました。
病院や老人ホーム等の施設は、“リモートお見舞”が今や標準になっています。
これらのことに共通するのは、その多くが“たまにすること”です。
たまにすることだからこそ、リモート越しではなくて、実際に対面したいと思いますし、会えないまま終わってしまうのではないかという不安は常につきまといます。

だからこそ思うのは、リモートによる接点を、もっと日常的に設定したほうがいいのではないかということです。
離れた家族であれば、食事のときやティーブレークのとき。
会社の仲間内であれば朝礼夕礼。
日常のよくある場面をリモートに置き換えることによって、一体感を醸成していく。
日々の何気ない接点が心の距離を埋めていくのではないか思い、自分自身も離れた両親との接し方を変えていこうと思った今日この頃です。