夏の甲子園出場を争う地方予選、奈良大会。
準決勝で前年度全国準優勝校の智弁学園を破り、
初の決勝進出を果たした奈良県立生駒高校。
迎えた決勝戦の相手は甲子園常連校の天理高校。
強豪校を破った勢いで波に乗る生駒高校がどこまで天理に迫れるか。
注目の戦いのはずが、生駒高校の選手に新型コロナの感染疑いの選手が続出。
レギュラーの選手で出場できたのは3人のみ。
先発投手も大会初登板となる1年生。
試合開始前から両チームともに動揺が走る戦いとなりました。
天理高校は球場入りしてすぐ、相手の生駒高校の異変に気づいたそうです。
心が揺れる状態の選手たちを中村監督が集め、
「どのような状況でも全力で戦うことが対戦相手への敬意となる。」
と伝え、選手たちも複雑な想いを抱えながら初回から全力で戦いました。
強力打線が1年生投手を襲い、初回から練すうを重ね、9回までに大量21得点。
そして迎えた9回ツーアウト。
あと一人抑えれば夢の甲子園に手が届く状態で、
選手がタイムを取りマウンドに集まりました。
そこで戸井主将から、「試合後に喜ぶのはやめておこう。」と提案があり、
天理ナインも全員がそれを受け入れました。
そして生駒高校最後の打者が空振り三振に倒れゲームセット。
そのままナインは試合後の整列へと急ぎました。
試合後、天理の中村監督は涙を流し、
「3年生も含めてスタンドもベンチも喜びたかったと思うんですが、
子どもたちもそれを察してくれたのか。そういうところがすごく成長したかな、と。
周りのことも考えてやれるようになったんだなと。ワーっと喜びたかったと
思うんですけどね、優勝したんやから。」
と話されました。
ベストの状態で戦えない相手に対し正々堂々と全力で戦いながら、
終了後に相手への気遣い、敬意を表す姿に、
勝負の世界を超えた高校野球の素晴らしさ、教育の素晴らしさを感じました。
〜中小企業の採用・育成のヒント〜
相手に敬意を表す。
相手の気持ちを慮り、配慮する。
どんな相手でも、どんな状況でも全力で挑むことが本筋である。
仕事にも肝に銘じたい教訓ですね。