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益田 和久

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第74回 同期

2022/08/04

先日知人の中小企業経営者から「仕事用にiPadを購入したので設定を手伝ってほしい」と依頼がありましたので弊社事務所にきていただき対応しました。
電気工事系の社長さんですが、元請先や材料屋さん、お客さまとのやりとりで、ここ数年iPhoneを利用することが多くなってきたとのこと。
現場の写真・動画の共有、問い合わせや受発注もその場で完結できるので、以前と比べて随分と仕事はスピードアップしたそうです。

以前の投稿でFAXの受発注で仕事が遅くなっているということを書きましたが、この社長の仕事環境は元請先の推進もあり、比較的デジタル環境が整っているようです。そういう前提のもと、どうしてもiPhoneだと時間がかかってしまう作業がでてきたので、この度iPadを購入したとのことでした。

その社長が一番やりたかったのが、iPhoneとiPadの「同期」です。
iCloudにバックアップがとってあれば、新規購入したものはすぐに同期ができますよね。
アプリだけでなく、ブックマークやメール、Wi-Fiまで、今使っているデバイスと全く同じ環境が簡単に設定できるというのは、本当に便利だと思います。

以前は新しい機種を買うと、設定を同じように調整していくのが、面倒でもあり違う意味で楽しみであったわけですが、ある意味この“不毛な時間”をなくす「同期」こそ、テクノロジーの進化だと思いました。
以前のMacのCMで、iPhoneで写真を撮るとiPadやMacに瞬時に同期するというものがありましたが、あのCMで全てをMacで揃えようと思った人は私だけではないと思います(笑)

スマホが出現してGoogleを使うようになり、自分が保有するデバイス間で、メールやカレンダーを同期することは、当たり前の機能になりました。
カレンダーについては、家族や仲間内で共有することで、スケジュールの調整時間を確実に短縮しました。
私のようなノマドワーカーで、多くのビジネスパートナーとやりとりしている立場からすると、昨今のITの進化で一番便利になったと思うのは「同期化」です。
あいさつ原稿や企画書も同時編集ができる。
会議をしながらホワイトボードに全員同時に自分の意見を書き込むことができる。
当たり前のような日常ではありますが、以前の仕事の進め方からすると、圧倒的な時間や手間の短縮になっているはずなのです。
だからこそ、もっとこの「同期」という機能はチーム単位で積極的に活用していくべきだと思います。

研修で受講者から話を聞くのが、この“同期を遅らせる人”がいて困るという話です。
入力や更新をしない人です。集団における同期のメリットは、関わる人が適宜適切な情報提供をすることで成り立っています。
原稿や企画書の編集も、みんなで対応するからこそ精度があがります。
その前提の認識がずれてしまうと、本来の意味合いが薄くなってしまいます。
デジタル操作が苦手だとか、メンテナンスが面倒だという方の気持ちもわからないでもないですが、集団としての力を活かすためにも、最低限のルールは守ってもらいたいですよね。

同期化だけでなく。チームに効果をもたらすしくみやシステムを最大限に活かすためにも、各人がどのような貢献をすればいいのか、時には見直しをしてみることが必要だと思う今日この頃です。