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岩田 徹

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第70回 徳を積む

2022/04/15

先日開催された春の選抜高校野球。
大阪桐蔭高校が大会記録となる11本塁打を放つなど、
圧倒的な力で4年ぶり4度目の優勝を果たしました。
同校は毎年優勝候補の筆頭に挙げられる常勝校。
全国の高校が目標とするチームです。

思い起こすと私が子どもの頃、大阪に常勝チームがありました。
PL学園です。
桑田投手、清原選手のKKコンビは有名です。
そのKKコンビが果たせなかった春夏連覇を成し遂げた黄金世代。
主将を務めたのは現中日ドラゴンズの監督、立浪さんでした。
この世代は立浪さんを含め、後にプロ野球選手となる方が4名。
中でも立浪さんは華麗な守備と3番打者として打撃の中心を担い、
まさにスター選手でした。

優勝候補の評判通り選抜は優勝。
夏の大阪予選も苦戦はあったものの順当に優勝し、
春夏連覇を目指して甲子園に乗り込みました。
初戦は終盤までリードを許すなど苦戦しましたが、
その後は危なげなく勝ち上がり、春夏連覇を成し遂げました。

その春夏連覇がかかった決勝戦の朝。
立浪さんが行っていたことは普段と変わらずグランドの草むしり。
当時のP L学園には、徳を積む、という教えがあったそうで、
選手として技術を磨くだけでなく、人として立派な人間になる、
という考えのチームだったようです。

PLは全寮制の高校で、野球部は上級生と同部屋になります。
入学した当初、立浪さんの同部屋の先輩は桑田さんでした。
1年生から主戦投手として活躍する実力を持っていた桑田さんが、
毎朝5時にランニングに出かけ、草むしりをして帰ってくる姿を見ていた立浪さん。
立浪さんにとっては特別な行動ではなく日課のルーティーンだったようですが、
春夏連覇という圧倒的な力を見せたチームの主将が、
プレーだけでなく人としても見本となる行動を取っていたことに、
ただただ感動したことを覚えています。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

企業は営利目的で運営されるものですが、
ただただ利益を追求するだけの企業は世の中から必要とされなくなります。
成果を出せる人材は企業にとっては必要であり優秀かもしれませんが、
そこに人間性が伴っていなければ、持続的成長はないと思います。

自社の仕事だけができる人材を育てるのではなく、
社会で通用する人間性を身につけた人材を育てることが大切ですね。