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高松 秀樹

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第9回:変化がもたらした成果

2021/02/13

世の中に「様々な変化」が見られているなかで、外食業界は身近な存在ということもあり、それを特に感じます。

「営業時間の短縮」や「席数の間引きなどによる3密回避」、「手指消毒薬設置などの感染防止対策」、「テイクアウトサービスの開始」など。
コロナ禍で訪れた生活様式の変容に対応できるよう、多くの企業が策を講じています。

なかでも、低価格ファミレスチェーン、サイゼリヤの「価格改定の取組み」は面白く、多くの成果が生まれています。

最大の狙いは「コインの受け渡し行動を削減させること」で、「顧客も従業員もコインのやり取りは避けたい」という感情に応えるための取組みだったのです。

そのために、すべての価格を「50円単位」にしたことで、コインの受け渡しはおよそ8割減らせたそうです。

ぴったり払いやすい金額で支払いができるので、お釣りを渡す時間も減り、会計にかかる総時間も30%減少したとのこと。

キリのいい会計なので、グループ顧客も支払いをまとめて、レジに来てくれることが増えたようで個別会計も25%減少したのだとか。

さらに、50円、100円刻みの価格設定によって、「ちょうど1000円」を目安に注文する顧客が増えたことで、700円台前半だったという客単価もグッと上がったのです。

サイゼリヤメニューをランダムに組み合わせて1000円ピッタリにするという「1000円ガチャ」なるwebページがSNSで話題になったことも売上アップにつながったようです。(笑)

平常時には、取り組むこともしなかった、または取り組めなかった、できなかった聖域への改革に挑み、結果として成果が生まれている例は業界問わず多くの企業にも見られているのです。