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益田 和久

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第56回 変化を受け容れる

2022/03/31

旅行会社で私立学校向けに課外学習(修学旅行や語学留学、部活の合宿等)を提案している営業担当者の方々を対象とした、営業力強化のプロジェクトを通年にわたってお手伝いしています。
営業担当者は、学校の先生だけでなく(私学の)経営サイドの方々とも話をすることもありますので、いろんな角度から学校の情報を収集してきます。

先般営業担当者の方から、現在学校が抱えている問題をお聞きしたところ、大きく3つあるそうです。
一点目は生徒募集。
少子化が加速していますからどこの私学も必死ですよね。
二点目は、複雑多様化する授業(学習)の進め方。
通常の教科だけでなく、(私学によっては)プログラミングやSDGsの授業もあり、更には「探究型学習」といったこれまでとは異なる学習の進め方が求められており、教員の方々はその教育設計に追われているようです。
三点目は、教員の方々の「働き方改革」。
以前より学校教育現場において教員の労働時間の長さ、仕事の持ち帰りというのは問題になっていることもあり、少しずつは改善されてきているようですが、目指す姿に向けての道程は遠いのが現状です。

そういった状況を踏まえ、営業担当者としては、課外学習を提案するだけではなく、学校が抱える問題にどのような提案ができるかが問われてきています。
一方で、コロナ禍で旅行案件が中止延期になっていることもあり、当該分野に切り込まないと営業数値的にも厳しい状況に置かれているのも事実です。
ですから、視点発想を変え、新たな提案の切り口や商品・サービスの開発を進めることが、プロジェクトの課題でもあります。

そんな中、先日の会議で、「ICT教育」について、弊社のビジネスパートナーからレクチャーをしてもらいました。
ICTとは「Information and Communication Technology」の略、つまりは「情報通信技術」のことです。
一般的によく使うIT(情報技術)の間に「Communication(通信、伝達)」が入っているとおり、単なる情報処理だけでなく、情報や知識の共有、人と人とのつながりに重点をおくという考え方で、それを教育現場で活用するのがICT教育です。
iPadを使ってネット検索をしながら学習を進めたり、数学の解き方をアニメーションで説明したりなど、少し前では考えられなかった教育方法が、教育現場では日進月歩の勢いで続々と採用されています。

とはいうものの、ICTが積極的に展開されているのは一部の学校のようですね。
進まない理由のひとつとして、“教員の方々の新しいものに対する抵抗感”が根底にあるということでした。
長らく培ってきた仕事の進め方やノウハウといったものは、簡単には転換できないのは理解できます。
ただ、どうやったら学力が向上するか、学ぼうという気持ちが高まるかという視点から考えると、子どもたちそのものの、思考や価値観も変化をしてきているわけですから、進め方を変えていくことは不可欠なのではないかなとも思います。
教員の方々も、やらなくてはいけないことがたくさんあって優先順位付けも大変なのはよくわかりますし、スキル習得や相互啓発の機会も確保しないと、なかなか前には進まないでしょう。

いずれにしても、仕事で向き合う相手が「変化」してきているわけですから、こちらの対応も変えなければいけませんね。
新しいやり方を受け容れるというよりは、常に今が一番いい状態にアップデートしていく姿勢が必要であると再確認しました。
次回以降で、このICT教育について、具体的に研究してみたいと思います。