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第9回 学びたい時が「学び時」

2021/02/11

答えは結果、学びはプロセス

「あなたにはまだ難しいかなぁ」
子どもにどう説明していいかわからないとき、つい言ってしまいがちな台詞ですよね。

しかし、“まだ”と言っている割に「さぁ、今が〇〇について学ぶ絶好のタイミングだよ!」とはなかなか言ってもらえません。

興味を持ったときに学ぶチャンスやサポートが得られず、これはあなたにできる・できないと大人が判断してしまう。
そうすると、その子は自分が学びたいタイミングで学ぶことができず、主体的な学びから遠ざかってしまいます。

では、子どもたちの学びたい瞬間に、私たちはどう関わったらよいのでしょう?
僕が大切にしているのは、“答え”ではなく“学び方”を示すことです。

どうやって調べたら情報が得られるのか、どこに注目すればヒントが見つかるのか、なんだったら自分が同じような状況をどうやって切り抜けたかを話すこともできるかもしれません。

答えが合っているかどうかはオマケみたいなもので、そこにたどり着くまでのプロセスを“学び”っていうんだよ、というメッセージを伝えます。

“正解”に縛られているのは大人の方

常に子どもに正しい知識を教えなくてはと考えてしまうと、あまりポジティブな結果が生まれません。

例えば、自分が自信ないことを聞かれると、大人としての権威を守るために言い訳をしたり、適当にごまかしたりしたくなります。
あるいは、自分が持っている知識がいつの間にか更新されているのを知らず、自信満々で間違ったことを教えてしまうこともあるかもしれません。

仮に“正しい”答えを教えられたとしても、今度は子どもが自分で学ぶことをやめて、大人に依存するようになってしまう可能性もあります。

子どもの「教えて」は、新しいことを学びたいという欲求の表れで、ストレートに答えが欲しいとは限りません。「教えて」に対してすぐ答えが返ってくることが続くと、子どもたちの中に自分で考える必要がないという感覚が育ってしまうのです。

答えを教えないことは決して逃げではなく、子どもたちの自ら学ぶ力と意欲を育てる強力なサポートです。子どもたちから質問が来たときは、子どもたちの学びたい気持ちに寄り沿って、学ぶプロセスをサポートしてみませんか?