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金山 正明

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第60回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2022/02/06

東京港醸造株式会社 代表取締役杜氏 寺澤善実様(其の4)

今回の対談は、東京港醸造株式会社 代表取締役 杜氏の寺澤 善実様にご協力頂きました。
東京港醸造株式会社様は、東京のど真ん中港区で大都会に蘇った酒蔵としてお酒造りをされております。
今回は最後の結びとして、私が今回の対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けします。

今回の対談の中で、特に印象に残ったのは蔵人としての働き方、キャリアの歩み方はとてもユニークだということ。
そして、何といっても寺澤様が注ぐ日本酒造りへの想いに感銘を受けました。
そんな想いがあったからこそ江戸の酒蔵が100年の時を経て蘇ったのでしょう。

蔵人の働き方から学ぶ

今働き方の多様化が広まってきています。
田舎で暮らしながらオンラインで仕事をしたり、個人で仕事をしながら繁忙期には休まず働き、閑散期には旅行を楽しむといった働き方をする人もいます。

今でこそ、このような働き方が浸透してきましたが、数年前までは聞くこともありませんでした。
今回の対談で、蔵人の一風変わった働き方を知ることになり、働き方の当たり前や常識は、我々に固定概念を植え付けているのではないかと思うようになりました。

杜氏として冬場に地方の酒蔵で働き、酒造りをしない季節は別の仕事をする。
今でいうパラレルキャリアになりますが、昔からこういった働き方が蔵人の中では確立されています。
むしろ労働基準法に当てはめて考えていては、良いものを造ることができないのかもしれません。
こういった現実は、業界によって、もしくは仕事の役割によって存在するのではないでしょうか。

仕事の目的に向かうことを第一に考えて働き方を工夫する。当たり前のことですが、蔵人の働き方から学ばせて頂きました

国酒日本酒造りで文化を継ぐ

「江戸開城」は、東京のど真ん中で100年ぶりに蘇った酒蔵で造られたお酒。
そのお酒には、様々な想いが乗せられています。

「若松屋」7代目の斎藤様が乗せた酒蔵復活への想い。
その想いに心動かされ日本酒造りを蘇らせた寺澤様の想い。

国酒日本酒造りを継承し、日本の古き良き文化を発展させ未来へと繋ぐ。
私は寺澤様との対談の中で、その想いに感銘を受けました。

寺澤様のお酒造りは、良いものを世に出すだけじゃなく、お酒そのものが創り出す未来を見据えて取り組んでらっしゃいます。
日本の国酒本酒が、日本の魅力を世界に発信するための役割を担い、国内では地方創生のためのフックとなる。日本の人口が減少する中、日本の国酒日本酒が経済を活性化するための一翼を担う。
そんな未来を見据えての日本酒造りをされています。

人は組織の中で働くと、その目的を見失いがちになります。
特にエンドユーザーの見えない仕事は、日々の部分的な仕事ばかりに意識がいき、本来手段であるものが目的にすり替わってしまいます。

「着眼大局着手小局」という意識をもって、常に目的に向かって今の仕事に取り組んでいきたいですね。

今週は東京港醸造株式会社 代表取締役 杜氏の寺澤 善実様との対談から得た学びと気づき、そして人、組織の育成に活かすためのポイントをお届けしました。
ご協力いただきました寺澤 善実様には感謝申し上げます。これからの益々のご発展をお祈り申し上げます。

会社情報

会社名:東京港醸造株式会社
本社:東京都港区芝四丁目6番10号
HP:https://terasawa.tokyo/index.html 
事業内容:
・酒類の醸造設備、電気機械設備の設計、
・製造、 販売、 賃貸借、 輸出入、 施工、保守及び管理