【第57回講座】飲食店の求人倍率3倍以上!新しいスタッフが選び続ける職場に④
2022/01/13
採用市場の現実を踏まえて
大手求人広告代理店からの情報によると、採用環境は依然厳しい状態が続いており、今後さらに厳しくなると考えられています。
10月、11月の最新の求人倍率は飲食店では3倍以上になっています!
この求人倍率を踏まえて、飲食業界における採用の難しさと採用を実現していく為に7回にわたって、覚悟を持つことの大切さと応募があった場合の準備についてお話してきました。
今回は新しいスタッフに選ばれ続ける上で大切になる「気軽に相談できる環境を作る為には、どんな考え方や取り組みが必要になるのか?」なぜその取り組みが必要になるのか?を中心にお話していきます。
気軽に相談できる環境を作る
気軽に相談できる環境を作る上で大切になるのは、店主や先輩に対する信頼を育むことです。
相談する上で新人さんが気にすることは、「思ってもいない答えが返ってくることに対する不安や恐れ」です。
例えば新人のAさんは、人間関係を自ら作ることが苦手で、先輩たちと働く中で不安を感じていました。
でもその不安を相談すると、何か言われるのではないか?という不安がありました。
だから、外では友人たちに相談をしているが、お店では黙って何もないように過ごしていました。
しかし、勢いがあり熱い先輩達と働く中で、自分が全然成長できていないことを感じ、自らの不安を店主に相談することにしました。
Aさん:「先輩達とどのように話したらいいか悩んでいます。みんなの勢いについていけないんです」
店主:「お前そんなことで悩んでいたの?」
このような対応をした瞬間、Aさんは「やっぱり相談しなければ良かった。やっぱり辞めよう」と考え始めるでしょう。
このような対応がめちゃくちゃ多いのが現実です。店主も悪気はないんです。
でも店主の一言は、Aさんの悩みを「そんなこと」と小さいことだと捉えたことを伝えてしまったのです。
Aさんが気にしていたことは「受け止めてもらえるかどうか」でした。
そのAさんの気持ちに寄り添う回答が全くされないと感じた瞬間、Aさんは心を閉ざします。
信頼作りは時間がかかる
上記のAさんの事例のようなことが起こりやすい店主と新人さんの関係。
この関係から信頼を育んでいく為には、小さな信頼の積み上げが大切になります。
1日5分~10分でもいいので、Aさんと話す時間をお店側から設けていくことを積み重ねていくのです。
しかも、コチラが一方的に話すのではなく、Aさんが話せるように、その日の目指す姿や感想やプライベートなどを聴いていくのです。
Aさんが店主に質問をしてきた時は店主も話していきますが、基本はAさんを知ることを意識して、聴く機会を重ねていきます。
この聴く機会の積み上げが、相談できる環境作りで効果的な取り組みの一つです。
時間はかかります。
しかし、信頼は一朝一夕にはできません。信頼作りこそが一番時間がかかります。
だからこそ、この小さな信頼作りの積み上げが大切になります。
この小さな信頼作りの積み上げが、本音を出せる状態の2つ目にある、反対意見を言える状態にもつながっていきます。
次回は、反対意見を言える状態とはどんな状態であるか?についてお話していきます。
☆今日の質問☆
あなたは新人さんが入ってきた時、話を聴く時間を自らどれくらい設けていますか?