これまでの研修先で「誉認励(よにんれい)」を元に一人ひとりと関わることで、
多くの会社で奇跡が起きてきました。
その一例をご紹介したいと思います。
『某製造業 現業部で起きた事例』
製造業の現場で働く約45名の社員さん達の研修でかかわらせていただいたときの話です。
当時、製造現場では怒鳴り合いの声、現場で唾を吐く、タバコのポイ捨て、文句の言い合い、クレームの嵐で礼儀もマナーもあったものじゃなく、何とかマナーを身につけさせてほしいというのが会社のご要望でした。
研修は全8回。
仕事が終わってからの18時から20時まで2時間の研修でした。
研修初日、
・開始直前にダラダラすり足でやってくる
・腕組み、足組み、ふて腐れた態度
・足をダラッと伸ばして座る。
・ズボンのポケットに手を突っこんだままうつむく
・「はぁ~~っ」と大きなため息をつく
・目を合わそうとしない
ただならぬ雰囲気です。
「現業部の俺らに何がマナー研修だ!人と関わりたくないから機械相手に仕事しているのに、俺らに関係ないだろ!」
そんな彼らの心の叫びが聞こえてくるようでした。
嫌々感を一生懸命アピールなさっていました。
彼らの立場なら、きっとそう思うと思うのではないでしょうか。
会社命令でまさに〝受けさせられる〟わけですから・・・。
でも凄い!と思うんです。
そうやって嫌々感をアピールしながらも、不貞腐れながらも、
今、ココ(研修会場)に、来てくれている!!
そんな彼らのことが、心の底から愛おしく思いました。
彼らにとっては、私(研修講師)、という存在は、上司や経営者の回し者で(笑)、いわゆる「敵」みたいな存在なわけですよ。
〝防衛本能〟、といいますか、その態度は彼らにとっての精一杯の「抵抗」なのだと思います。
子供の頃そんなことってありませんでしたか?
とても嫌だけど言葉で嫌だと言えずに、わざとふて腐れた態度や表情をして、
親や学校の先生に、
わかってよ~オーラを出したこと(笑)
研修初日、集まってくださった彼らにざっくばらんに言いました。
「皆さん、仕事終わりでお疲れのところ、ありがとうございます」
「本当は早く帰ってお風呂入りたいですよね~!
ビール飲みたいですよね~!
パチンコ行きたいですよね~!
私が皆さんならきっとそう思いますもん。
それなのに、よくぞ来てくれました!
ありがとうございます!」
心から、そう思う気持ちを伝えました。
(えっ?何言いだすんだ?・・・)
そのうちに、
腕組みがほどけ、投げ出していた足が元に戻り、顔を上げ、合わなかった目があうようになりました。
研修2回目には、
*10分前に来るようになった
*座り方が変わった
*前を見るようになった
*メモを取るようになった
*目が合うようになった
初回の研修で、10分前には着席するように、とか、姿勢よく座るようになど、
「○○してください」という指示は一切与えていません。
では何をしたのでしょうか。
次回に続きます。
今日もご覧いただきありがとうございました。