HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

益田 和久

ホーム > 益田 和久 > 記事一覧 > 第28回 アップデート

第28回 アップデート

2021/09/16

オンライン研修を開催する際、受講者の方に事前にお願いするのが「アップデート」です。
Zoomやteams等の研修で使用するアプリは勿論のこと、スマホやタブレットはOSのアップデートもお願いすることがあります。

研修によっては、最新の機能が必要であったり、不具合があると運営に支障を来すからです。
時々デバイス自体の容量が小さくてアップデートが出来ず、レンタルして参加される方もいらっしゃいます。

「買い換えた(機種変更した)ほうがいいんですかね?」という質問されることがありますが「主要なアプリが動かせなくなったら、それは買い換えたほうがいいかもしれません」とお伝えしています。
アプリやOSのアップデートは、社会情勢の変化やユーザーニーズによって生じるものでしょうから、頻繁に使用するアプリは常にアップデートが必要だと思います。

そういった「アップデート」について、アプリやソフトのことではなく、別の場面でお話しする機会が増えてきました。
管理職や職場リーダーの方々向けの研修依頼をちょくちょくいただきますが、その中でも50歳代の方の研修も増えてきました(私が50代ということもあるのでしょうが)。

内容はマネジメントやリーダーシップに関することがほとんどですが、お客さまからリクエストが多いのが「社会情勢変化への対応」「若手社員の価値観への理解促進」という類のもので、要は「今の自分の知見や考え方だけでは通用しないので、時代の流れに応じた“変化対応”をしてほしい」ということなのです。

進化論で著名なダーウィンは「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という名言を残したといわれていますが、世間の流れについていけないと、いろんな場面で支障が起きることを私たちは体験していますよね。

ビジネスでは、PCやインターネットを駆使した仕事の進め方にシニアの方が苦戦しているのが顕著な一例ですが、これは時間をかけて慣れていけばいい分野です。
それよりも難しいのは、労働価値観や人との関わり方ではないでしょうか。

事実、管理者や職場リーダーの方々からは「若者が何考えているかわからない」「若者とどう接していいか困っている」ということをよく聞きます。私も同じ世代なのでその悩みはよく理解できるのですが、自分たちの育ってきた時代とは環境が違いますので、自分なりに培ってきたものが通用しないわけです。
そこで「変わらなきゃいけない」と思うのですが、どう変わっていいかがわからない、いろいろやってみるが今一つ手応えがないという状況も多いのだと思います。

そんな質問をお受けするときにお伝えしているのが、「変わる=チェンジ」ではなく「進化=アップデート」しましょうということです。
これまでやってきたことを大きく変えようとするのは、そう簡単ではありませんし、精神的な抵抗もあると思います。

ただやってきたことの主旨や思いは変えずに、やりかたを“進化”させることで置かれた状況に適応させることはできるはずです。
リモートワークやオンライン会議もある意味一つの進化ですし、苦戦しながらもシニアの方々は対応してきていますよね。

以前であれば、アフター5の「飲みニケーション」で若手社員と人間関係をつくってきた方も多かったと思います。
ところが今の若手社員は誘っても、なかなか飲みに行きたがらない。
それは時代の変化だから仕方のないことです。
そこで「今のワカモノは飲みに誘ってもこないよね」と嘆いていても何ら進歩はないわけです。

飲みにいくことが目的ではなく、人間関係をつくることが目的なわけですから、やりかたをアップデートしていくしかないですよね。
ランチミーティングや業務終了後にゴルフの打ちっぱなしにいったりと、やり方をアップデートして若者と距離を縮めている方はたくさんいらっしゃいます。

アプリのアップデートを見ているとわかりますが、売れ筋アプリは頻繁にアップデートしています。
それだけPDCAがまわしてるのだと思います。
アップデートは簡単ではないですが、常にトライアンドエラーを繰り返して、最適な状態を保とうとすることが大事ですよね。

私と同世代のシニアの方々、培ってきたものを十分に活かしながら「アップデート」に対して貪欲に取り組んで行きましょう。