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岩田 徹

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第36回 指導者の力量

2021/08/20

史上最強と言われた東京五輪男子サッカーチーム。
チームの中心となる選手の多くがヨーロッパのチームに属しており、
オーバーエイジで召集された3名の選手もA代表のレギュラー。
そこにJリーグで活躍する選手も交わり、非常に可能性を感じるチームでした。
結果は残念ながら4位と、メダル獲得には至りませんでしたが、
6試合すべてを観戦することができ、非常に楽しい時間でした。

今や日本サッカーチームは、アジアを勝ち抜き、
ワールドカップや五輪に出場するのは当然のような基準になっています。
ですが、30年ほど前にはアジアを勝ち抜くのも困難な時代がありました。
そこから金メダルの可能性を感じることができるほど、
日本サッカーもレベルアップしてきたのだと思います。
選手も本気で金メダルを目指していたからこそ、
準決勝での敗戦のショックは大きかったでしょう。

五輪前に2000年のシドニー五輪でチームを率いたトルシエ監督の記事を読みました。
当時も史上最強のチームと言われていたが、
海外基準のサッカーを知る選手は中田英寿選手のみで、他は全員国内のJリーガー。
だからこそ、細かくチームの決まり事を決めて厳しく管理していった。
しかし東京五輪世代は世界基準のサッカーを知る選手が多い。
細かい決まり事を徹底するよりも、選手たちが力を発揮しやすいように
コミュニケーションをとること、環境を作ることが監督に求められることだとありました。

五輪後、2008年の北京五輪の主力選手であり、その後も代表で中心選手として活躍した
本田圭佑選手の記事も読みました。
個々の選手のレベルは間違いなく上がっている。
世界のレベルで戦い、世界基準を知る選手も多い。
だが、指導者のレベルが世界基準に追いついていない。
日本にある指導者ライセンス制度の見直し、特に育成年代のライセンスを厳しくすべき。
とおっしゃっていました。

選手の海外移籍が当たり前になってきた現在。
日本サッカーを代表する方々が示唆された指導者に求められることの変化。
近い将来、ワールドカップやオリンピックの舞台で、
日本代表が表彰台の一番高いところに立つことを期待して応援し続けたいと思います。

〜中小企業の採用・育成のヒント〜

優秀だと感じて採用した人材が、成果も上がらず鳴かず飛ばずで、
数年後には普通以下の人材になっている、というのはよく聞く話。

素材はいいのに活かしきれず、宝の持ち腐れ。
指導者側は、本人の能力不足、やる気のなさを嘆くばかり。

自身の経験のみの指導法が通用する時代は終わりました。
指導者側もアップデートし続けないといけない世の中です。
さもなくば、たちまちOSは古くなり作動しなくなります。

スポーツの世界もビジネスの世界も同様ですね。