コンビニの役割が静かに変わり始めています。
2025年12月より「セブン‐イレブン・ジャパン」が一部店舗で導入を始めたパウダースペース「loven(ラブン)」は、その象徴とも言える取り組みです。
ヘアアイロンや調光付きミラーを備えたこのスペースは、10〜20代の若年女性に向けた新たな価値を提供しています。
利用者はちょっとした時間で身だしなみを整えることができ、利用料も手頃です。
設置場所には大学近くの店舗が選ばれており、まさにターゲット層の生活動線上に自然に溶け込む工夫がなされています。
注目すべきは、この施策が「チームシンデレラ」との協業から生まれた点です。
Z世代女子のリアルな声を起点に、1600人への調査で「コンビニにあったら便利なもの」として上位に挙がった「パウダールーム」が、商品企画へと昇華しました。
単なる設備提供ではなく、内装デザインや使い勝手にまで若者の視点が反映されています。
これは、コンビニという業態の固定観念を打ち破る挑戦でもあります。
利便性の追求から、居心地や感情価値の提供へと、従来の"買う場所"から"過ごす場所"への転換を志向しているのです。
背景には、若年層の来店頻度減少という課題があります。
SNSや宅配の普及により、若者の購買チャネルが多様化する中、店舗が「行く理由」をどう創出するかが問われています。
今回の取り組みは、その問いに対する一つの鮮やかな解であり、今後の店舗設計や顧客体験のヒントとなるでしょう。
他業種でも、若年層を意識した取り組みが活発化しています。
たとえば「資生堂」は、Z世代向けのコスメブランド「インテグレート ミニ」を通じて、SNS映えや手に取りやすい価格設計を重視した商品展開を行っています。
また、「スターバックス コーヒー ジャパン」は店舗限定で学生割引やSNS参加型キャンペーンを展開し、体験価値を重視する若者層の共感を集めています。
こうした動きは、単にモノを売るだけでなく、共感や参加を促す接点づくりがカギとなっていることを物語っているのであります。