未経験者を採用する企業は年々増えています。
その背景に「人手不足」があることは確かですが、
それだけではありません。
経験やスキル以上に
「その人が持つ可能性」に期待する企業が
増えてきたことの表れでもあります。
とはいえ、未経験者を“戦力化”するには、
採用後の育成、
とりわけ「OJT(On the Job Training)」
の工夫が欠かせません。
多くの職場で「OJT」という言葉は耳慣れたものですが、
その実態は
「上司や先輩の背中を見て覚える」
「とりあえず先輩の横について仕事をする」
という曖昧な形になりがちです。
これでは未経験者にとっては負担が大きく、
成長スピードにもばらつきが出てしまいます。
大切なのは、
“段階的に構築されたOJT”を行うことです。
まずは「業務の分解」です。
業務を大きな塊のまま渡すのではなく、
工程や思考プロセスを分解して伝えましょう。
例えば、営業職であれば、
「訪問前の準備」
「ヒアリング」
「提案」
「振り返り」
と段階ごとに整理し、それぞれのポイントを示します。
こうすることで、
未経験者は全体像を把握しやすくなり、
「自分がいま何を行っているのか」
「自分がいま何を学んでいるのか」
を理解できるため
安心感を持たせることができます。
次に重要になるのは「言語化」です。
ベテランが無意識にやっていることでも、
未経験者には未知の行動である場合があります。
「なぜそう判断するのか」
「なぜその言葉を選ぶのか」
を言語化し、共有することで、
単なる“先輩の真似”から“自分の学び”へと変わります。
最後に、忘れてはならないのが
「小さな成功体験を積ませること」です。
未経験者が挫折する第一要因は
「自分は役に立てていないのではないか」
という不安です。
ほんの小さなタスクであっても
「ここまでできるようになった」
という手応えを感じられるように進めていくことで、
次の挑戦への意欲を高めます。
「OJT」は一方通行の指導ではなく、
指導する側にとってもメリットがあります。
未経験だからこそ持っている
“素朴な疑問”や
“フレッシュな発想”が、
職場の固定観念を揺さぶり、
業務を改善していく糸口になることもあります。
“未経験採用”を戦力化する秘訣は、
「共に学び、共に成長する」姿勢にあります。
背中を見せるだけではなく、
言葉で伝え、
仕事の段階を分解し、
小さな成功を積み重ねていく。
その積み重ねが、
未経験者を頼もしい仲間へと育て、
組織の未来をつくっていくのです。
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