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星 寿美

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第13回 自立人財や自走組織の元になるもの

2021/07/11

組織に限らず、人が集まり何かことを進めれば、そのプロセスの中で、揉め事や意見の相違が必ず起こります。

だから、大抵の場合は、揉め事を最小限に食い止めるために、ルールを作ります。
ここはこういうルールの場です。
それを守っていれば丸く収まります、と。

今までの教育

例えば。
学校生活においては、授業中は私語禁止。
廊下は右側通行。
班長や当番を決めて、それぞれ決まったことをする、等々。

そんなルールがたくさんあっても、揉め事は起こります。
そういう時は先生が『いい悪い』もしくは『どちらも悪い』とジャッジして収めます。

私たちは、多かれ少なかれ、このような『正解ありき』の教育を受けてきています。

だから社会に出ても、正解ありきの、たくさんのルールの中で、その時々の役割の仮面をつけて、うまくやって行こうと努力していることが多々あります。

もちろん、それは悪いことではなく、必要なことと思います。

自立人財や自走組織を作るためには?

そして。
私が今までも、そしてこれからも、ずっとやり続けたいことは。

『自立した人間を育成すること』と『自走する組織を作ること』です。

そのためには、実は、揉め事や意見の相違そのものが大事なのだと考えています。

人間は体験して学んで成長していくからです。
揉め事が起こって、それを解決するプロセスで自分理解や相手理解が深まり、解決する力が身に付きます。

だから、揉め事を起こさないようにルールを作ったり、誰か(先生や上司)がジャッジして収めるのではなく。

当事者同士が、考えていることを出し合って、より良いアイデアを創造したり、また意見の相違を解決していく、そのプロセスこそが重要です。

その機会を体験しづらい教育、社会なので、非常にもったいないと感じています。

お互いに自分を表現し、尊重しあい、触発しあい、創造が生まれ、成長進化していくからです。

その時々で『役割の仮面』をつけること自体は必要ですが、どんな仮面をつけていても、自分自身である、ということもまた必要なことなのです。

自立人財や自走組織の元になるもの

では『自分自身である』ためには、どうしたらいいのでしょうか?
そのためには、自分が何を考え、何を大事にしているのかを、知る必要があります。

そんな自分理解は、実は他者との関わり合いの中で、特に揉め事や意見の相違が起こったときにこそ、比較や違和感などで気づいていきます。

なぜ、私がそんな風にいい切れるのかというと。

私は幼少期に、対人恐怖症の親から人格などを全否定されていたので、自分が悪い!自分はダメだ!と思い込み、自分も他人も『敵』と言う時代を過ごしていました。
自分自身との関係が構築できず、とても辛い日々でした。

それから社会に出て、様々なタイプ・価値観の人々との出会いによって、気づき、成長し、おかげさまで、今では自分自身との関係がとてもいいのです。

だから、自分自身との関係を構築することが、まず大元にあるのだ!と心から言えます。

それを『自尊心』と言い換えることもできます。
自分を尊重する心が健全に育っていれば、人との関係も健全に構築できます。

そのことを自身の人生プロセスで、また解決事例の数々から深く実感しているのです。

自分が何を考えていて、何を大切にしているのか?

それを、ありのまま表現するために、他者との関わり合いの中で自己理解を深めていく必要があります。

一人では、自分の小さな思考の枠組みの中でぐるぐる回るだけで、自己理解は進みません。

他者との関わり合いの中で、自己理解を深め、自分を尊重できた分、他者のことも、

「自分とは価値観が違うけれど、自分の価値観が大切なように、相手もまた、その価値観を大切だと感じているんだな。」

と理解できるようになります。

それは「いい・悪い」「正しい・間違い」と言う2元思考ではなく、どっちもいい!と言う思考です。

そうして、自分を尊重し、他者を尊重することで、お互いに触発しあい刺激しあい成長し創造が生まれます。

一つの『正しい答えありき』ではなく、正解のないことに、より良い答えを求め続けていける発想力を身につけること。それが人との関係の中で育まれる、と言うことです。

共感や共通点も楽しいですが、違和感や相違点は創造につながる、もっと楽しいものだと伝えていきたいと日々、尽力しています。

それは、正しい答えや理想に『教育』するのではなく、ありのままを受容し合うことで、触発しあい、結果的に成長し創造が生まれるということ。

これが、自立人財や自走組織の『元』になります。