「社員の成長が会社の成長につながる」
「人材育成こそが企業の競争力を高める」
こうした言葉をよく耳にする。
しかし、本当にそうなのだろうか?
私はあえて言いたい。
「業績を上げたければ、人材育成なんてするな!」 と。
なぜなら、多くの企業で行われている
「人材育成」は、
むしろ業績向上を妨げているからだ。
◆人材育成が業績向上を妨げる理由
企業の現場でよく見られる人材育成の課題は、
以下のようなものだ。
1.研修ばかりで実践がない
外部研修に社員を参加させたり、
社内で座学の研修を実施したりする企業は多い。
しかし、学んだ内容が
実際の業務で活かされないことがほとんどだ。
特に、実務との関連性が薄い研修では、
社員は「勉強した気」になるだけで、
行動が変わらない。
結果として、業績には何の影響もない。
2.人材育成が「目的化」している
本来、人材育成は業績向上のための手段のはずだ。
しかし、「とりあえず研修をやる」
「教育制度を整えることが大事」
といった考えに陥ると、
本来の目的を見失う。
研修を実施しただけで満足し、
「育成している気分」に浸る企業が多い。
3.経営陣が「育つのを待つ」姿勢になる
「社員が成長すれば、会社の業績も上がる」
という前提でいると、
経営陣は「社員の成長を待つ」
という受け身の姿勢になりがちだ。
しかし、業績を上げるために重要なのは、
「育つのを待つ」のではなく、
「今いる人材で結果を出す」ことだ。
◆本当に業績を上げたいなら何をすべきか?
では、どうすれば業績を向上させられるのか?
1.「人材育成」より「仕組みづくり」に注力する
個々の社員の能力を高めるよりも、
「誰がやっても一定の成果が出る仕組み」
を整えることが先決だ。
業務フローを標準化し、
属人的なスキルに頼らない仕組みをつくることで、
業績の安定と向上が可能になる。
2.「即戦力化」に焦点を当てる
時間をかけてじっくり人を育てるよりも、
「どうすれば短期間で戦力化できるか」を考える。
OJTを体系化し、
新人でもすぐに成果が出せる環境を
作ることが重要だ。
例えば、マニュアルやチェックリストを充実させる、
ロールプレイングで即実践できるスキルを磨くなど、
「育つのを待たずに、すぐに戦力化できる仕組み」を
作ることが業績向上の鍵となる。
3.「成果を出す行動」を定義し、徹底させる
「成長」ではなく「成果」を
重視する文化を作ることが重要だ。
「どんな行動をすれば成果が出るのか」を明確にし、
それを全員が徹底できるようにする。
例えば、営業であれば「1日〇件の訪問」
「提案前に必ずヒアリングを〇分以上行う」など、
具体的な行動基準を決め、
日々の業務に落とし込むことで、
自然と業績は向上する。
◆「人材育成しない」わけではない
誤解してほしくないのは、
「人材育成を完全にやめろ」と
言っているわけではない。
重要なのは、
「業績向上につながる人材育成」だけを行うこと だ。
単なる知識習得や精神論の研修ではなく、
「実際の業務で即成果が出る育成」 に絞ることが必要だ。
そして、「人を育てる」のではなく、
「誰でも成果を出せる環境を作る」ことが、
業績向上に直結する。
「人材育成すれば業績が上がる」ではなく、
「業績を上げるために、どんな仕組みが必要か?」を考えることが、
本当の意味での経営戦略なのだ。
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