青山学院大学の総合2連覇で幕を閉じた2025年の箱根駅伝。
1区で中央の吉居選手が飛び出し、
史上稀に見るハイレベルの争いだった花の2区。
3区にエースの鶴川選手を投入した青学に対し、
中央の本間選手が区間賞の走りで差を拡げる。少し計算の狂った青学。
4区でもう一人のエース、太田選手が首位中央との差を45秒まで詰める。
往路最後の山登りで、若の神こと若林選手が見事な区間新記録で首位奪還。
翌日の復路の山下りで、青学の野村選手が激走。
56分台という脅威の区間新で優勝を決定づけたかと思われたものの、
7区で駒澤の佐藤選手が区間新。首位青学との差を2分半も縮め接戦に。
しかし8区塩出選手の2年連続区間賞、9区田中選手は区間2位。
最終10区の1年生、小河原選手が区間賞と青学が粘り勝ち。
駒澤は復路新記録での優勝。素晴らしい戦いを正月から見ることができました。
山を制した大学が箱根を制する。
今年の箱根駅伝は正にその通りの結果となりました。
出雲、全日本を制し3冠を目指した國學院は3位。
3強の1つ、駒澤が2位。
3位が続いた青学が、ここ11年で8度目の優勝を果たし、
箱根への強さ、こだわりが見られた今年の大会。
大会後、5区山登りで逆転した若林選手のインタビューが印象に残りました。
青学での目標は箱根5区山上りと照準を絞り、
入学後も山上りを意識したトレーニングに特化。
体調不良だった2年生の時は走れませんでしたが、1、3、4年と3度走り、
3度ともゴールテープを切りました。
この4年間、最も行ったのが筋力トレーニング。
通常の長距離ランナーは鍛えない太もも前方の筋肉を鍛え山に備え続けた4年間。
山への走りに強みを発揮するが、平地は全く走れなくなるそうです。
(と言っても若林選手は1万メートルを27分台で走るトップランナーですが。)
何かを極めるということは、何かを捨てることにもなる。
それでも箱根の山へ賭ける想いが若林選手は強く、
最後の箱根で区間新での逆転劇。素晴らしい走りを見せてくれました。
箱根への想い、チームへの想い。
自分はどこで生きるのか、どこを極めてチームに貢献するのか。
大学で競技生活を終える若林選手の生き様、極め方を見て、
こういう選手がいるチームは強い、こんな社員がいる組織は強い、
と改めて感じた2025年の箱根駅伝でした。