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益田 和久

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第202回 「ググる」より「コパる」

2025/01/16

先日ビジネス情報誌を読んでいたら、生成AIについての興味深い記事がありました。
これからの働き方として、多くの会社やビジネスパーソンが、スマホで情報検索するように仕事で生成AIを使うようになってくると。
現時点ではまだそこまでいってないと思いますが、研修で受講者の話を聞くと、生成AIはかなり浸透してきていることは確かです。
働き方はこれからどのように変わっていくのでしょうか?

この話の中心になる”日常生活で当たり前のように使うようになる生成AI”は、マイクロソフトが提供している「コパイロット」でしょうか。
Windows11や検索ブラウザのEdgeに標準搭載されていますよね。
ちなみにマイクロソフトは今回のAIブームで(一時的ですが)アメリカ企業の時価総額トップに返り咲いています。
このコパイロットの活用が定着してきており、「コパる」というキーワードも出てきているようです。

以前このコラムにも書きましたが、私たちの仕事や生活において「ググる」というのは行動習慣として完全に定着しました。
スマホにキーワードを打ち込むだけで数多くの情報が出てきます。
Google レンズにいたっては、カメラをかざすだけで情報検索が可能。
これもAIの力。
散歩中に気になった花や植物も店舗の看板もカメラをかざすだけで情報を特定してくれます。
今や「ググる」なくして日常生活は成り立たないでしょう。

この「ググる」という生活習慣が、前出の「コパる」へ変化するというのです。
どういうことか。例えば気になるドラマがあった場合、そのドラマを「ググる」と、そこに関連する情報サイトがいくつも出てきます。
人気作品であれば必然的にその情報量は多い。
あまり知見がないときは、とりあえずウィキペディアを見て概要を把握すると思いますし、あとは公式サイトやヤフーニュース等をみればだいたいのことはわかるはずです。
「ググる」ときの問題として、出てきた多くの情報を一つひとつ確認していかないといけないということがあります。
内容や状況によっては結構手間がかかります。

では「コパる」場合はどうなのか。コパイロットの検索窓に「〇〇(気になる作品)とは何ですか?」と入力すると、その作品がどんなものであるかの概論とその作品の要約が掲示されます。
この要約が非常にわかりやすいのがコパイロットの魅力というか人気の点と言われてますね。
「ググる」場合は、先述したように詳しく知ろうとすると手間がかかります。
一方で「コパる」場合は、膨大な情報の中から一番シンプルにその作品がわかる情報を要約して教えてくれます。
情報を深掘りする場合でも、「コパる」場合は質問を追加していけばいいだけです。
普段使いこなしている方からすると当たり前すぎる話ですが、あまり「コパる」経験がない方にレクチャーすると「『コパる』ってこんなに便利なの」と驚かれることが多々あります。

情報検索が「ググる」から「コパる」に変わることで起きる働き方の変化は、タイパ(時間対効果。費やした時間と得られた満足度の相対性)だと思います。
「コパる」ことが定着してくると、「ググる」ことがどれだけ無駄な時間を費やしていたかということを、感じることでしょう。
これぞまさに「働き方改革」「新しい生活様式」なのかもしれません。
そんなことを感じる今日この頃です。

次回はこの「コパる」ことのデメリット(リスク)を考えてみたいと思います。