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岩田 徹

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第199回 松井秀喜選手の後悔

2024/10/04

アメリカのメジャーリーグはポストシーズンが始まりました。
ここからワールドシリーズまで、手に汗握る試合が繰り広げられます。
日本人としては、大谷選手、山本選手がいるドジャースが最後まで勝ち上がって
世界一になってくれるのが理想のストーリーですね。
画面越しに応援したいと思います。

今シーズンも大活躍し、数々の記録を打ち立てた大谷翔平選手。
その大谷選手に記録を更新されるまで、
日本人でメジャーリーグ最多本塁打記録を持っていたのが松井秀喜選手です。
高校時代は今でも語り草となる5打席連続敬遠されるほどの強打者。
ドラフト1位でジャイアンツに入団し、国内最高打者と賞賛される実績を残し、
メジャーリーグへ移籍しました。

松井選手は移籍の際、
「ヤンキーズの一員として、ワールドシリーズで優勝したい。」
との強い思いを持ち、アメリカへと渡りました。
移籍当初は日本でたくさん放っていた本塁打がなかなか出ず、
ゴロキングと呼ばれるほど、打てない状況が続きましたが、
徐々に適応していき、ヤンキースのレギュラーとして活躍しました。
そして2009年、移籍当初の夢が叶い、
松井選手はヤンキースをワールドシリーズ優勝へと導き、
個人としてもワールドシリーズM V Pに輝き、栄光を手にしました。

その松井選手が大谷選手を見てこぼした言葉。
それは、
「自分は志が低かった。」
ということです。

松井選手はヤンキースの一員としてワールドシリーズ優勝を目標とし、
達成しただけでなく、M V Pまで獲得しました。
しかし、大谷選手がチーム目標だけでなく、
個人としての目標も細かく設定していることを見て、
「首位打者を獲る。本塁打王を獲るなど、個人的な目標はなかったかもしれない。」
と後悔を口にされていました。

例え話でありますが、近隣の小高い丘に登るのか、それとも富士山に登るのか。
そもそも登る山を設定した段階で、それを達成するための準備も何もかもが変わります。
何を目指すのか。どこを目標とするのか。
松井選手という偉大な選手でさえも自らの志の低さを後悔する。
ポストシーズンでの大谷選手、山本選手の活躍を期待しながら、
自らの目標設定、志を見つめ直す良い機会にしたいと思います。