あっという間に8月も終わりになろうとしています。
パリ五輪に高校野球。
そしてメジャーリーグでは大谷選手が40本塁打40盗塁に到達。
話題に尽きない暑い夏でした。
今回の話題はこの夏の甲子園から。
インターネットでも話題になっていましたが、滋賀県代表の滋賀学園高校。
投打のバランスが取れた好チームで、ベスト8進出を果たしました。
チームの勝利と共に大きな話題となったのがアルプス席の応援団です。
様々なメロディーに合わせて、ベンチに入れなかった部員たちが、
キレキレのダンスを行います。
コミカルな動き、ノリノリな応援とは差がある表情。
試合内容もさることながら、滋賀学園が登場した日は必ず応援席が注目されていました。
赤いシャツを着た3年生が最前列に並び、後段を下級生がユニフォームを着て踊る。
その応援に興味を持った子どもたちも参加し、一体感のある応援をしていました。
そんな話題になる応援団が、大会中、ネットで心ない批判の対象となりました。
「そんなところで踊る時間があるなら素振りしろ!」
というような内容です。
批判した方が彼らの何を知って、何を考え投稿したのか疑問でなりません。
彼らはレギュラー取りを狙い、3年間、死に物狂いで努力しています。
甲子園に出場してくる強豪校ですから、そんな選手がゴロゴロといます。
しかも同級生だけでなく、力を持った下級生が毎年入学してきます。
そんな中で試合できるのは9名、甲子園のベンチに入れるのは20名です。
滋賀学園のアルプススタンドの部員を見れば、
どれだけ激しい競争があったかは一目瞭然です。
ベンチ入りできなかった悔しさは、彼らが一番わかっているはずです。
準々決勝で敗れた瞬間、団長の荒井くんはじめ、多くの選手が涙していました。
涙を見せた荒井くんは他の3年生に「ありがとう」と声をかけます。
また、試合後の挨拶に訪れたベンチ入りメンバーが泣き崩れる様子も目の前にあります。
荒井くんはメガホンを持って、
「ありがとう!お前ら、良かったぞ。胸を張れ!ありがとう!」
と叫んでいました。
荒井くんは、
「試合に出ている選手たちを少しでも応援で後押ししたい。」
「応援で彼らの力になり、普段の力、普段以上の力を引き出したい。」
と言っていました。
試合に出ていたキャプテンも、みんなの応援が大きな力になった。チーム全員で戦えた。
と言っていました。
与えられた応援団という役割は、甲子園でプレーすることを目指した彼らには、
決して元々やりたかったことではないと思います。
ですが、今回、チームで与えられた役割で全力を尽くしていた姿は素晴らしいと思います。
プレーする、ベンチに入って声を出す、以外にも、
応援席からできることは何なのか、チームの勝利に貢献するにはどうしたらいいのか。
それを考えて行動に移し全力を尽くしたことは、この先、必ず役に立つと思います。
会社や職場においても、本来求めていた役割や仕事とは違うことをやる時もあるでしょう。
でもその時に腐って投げやりになるのか、
それとも滋賀学園の応援団のように持ち場で全力を注ぐのか。
その後に得られる成果はどちらが大きくなるか、一目瞭然ですね。