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深山 敏郎

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第165回 困ったときの老荘だのみ エピソード65

2024/08/13

毎回老子の言葉をひとつずつご紹介しています。
コラムの164回目では、「聖人は大をなさず」を検討してきました。
老子は言います。
「聖人はものごとがおおきくなる前に対処する」と。

今回は「千里の行は足下より始まる」です。

「千里の行は足下より始まる」とは何か

今回は老子の言葉「千里の行は足下より始まる」の意味をご一緒に考えましょう。

一般的にこの話は「千里の道も一歩から」という言葉で有名です。
老子は言います「事件は起こらぬ先に処理し、秩序は乱れぬうちに収拾することが肝心である」と。

いかに先が長く見えても焦る必要はない

老子はこの言葉で何が言いたいのでしょうか。
老子はこうもいいます。
「聖人は作為もせず、我執ももたないから失敗することがない。凡人は完成の直前になって最初の慎重さを失うため失敗する」と。
無為自然であればよいものを、私たちは作為や我執のとりこになり、つい失敗するのです。

また、千里の道もまず一歩からスタートすることを忘れがちなのです。
結果として焦りが自らを支配して、ものごとを悪い方向に導く結果となります。

聖人は、欲望を捨てて無為自然に振る舞います。
そのために、万物を自然な発展へと導くことが出来るのです。

ビジネスにおいても、無理のないように振る舞えば、失敗の確率は低くなります。
あれこれ悩まずに、まずは「道」にのっとって行動することから考えてはいかがでしょうか。

本コラムが私たちの日々の悩みを和らげ、深く自省するきっかけになれば幸いです。

「老子」に関しては、徳間書店「中国の思想」第6巻 「老子・列子」を参考にさせていただきました。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

(筆者:深山 敏郎)
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