HACHIDORI NO HANE(ハチドリのはね)HPトップ

岩田 徹

ホーム > 岩田 徹 > 記事一覧 > 第183回 目指す場所

第183回 目指す場所

2024/06/14

例年だとどんよりした曇り空や雨が多いこの時期。
今年は梅雨がいつ来るのかと思うくらい、晴れの日が多いですね。
一説によると6月が梅雨だったのが少しずれて7月がメインになり出しているとのこと。
また、これまではシトシトと降り続くのが梅雨の特徴だったのが、
一気に降り注ぎ、洪水や土砂災害などを引き起こす雨が多くなっているとのこと。
確かにそういった傾向もあるように思う節はあります。
スポーツの話題ではなく天気から入りましたが、
私にとって待ち遠しい、夏の甲子園の予選がいよいよ始まります。
高校生活最後の大会。
予選が始まると毎日結果が速報されます。
多くの人にとっては数字の羅列で、1結果の集合体ではありますが、
張本人や関わる人にとっては、1試合1試合が大きな意味を持っています。
これが最後になるかもしれないという恐怖を背後に抱えながら、
目の前の試合に全力を尽くす姿は、毎年見ていて感動します。

そんな予選ですが、甲子園で優勝や上位進出を狙う学校と、
予選で1勝を目標にする学校とでは、大会に向かうまでの調整にも差があります。
甲子園常連校は、大会前にあえてコンディションを落とすほど、追い込みを行います。
春の大会が終わり、夏の大会に向かうこの6月が1番の追い込み時期。
走り込み、振り込み、投げ込み。
あえて体力の限界まで追い込み、連戦が続く夏を乗り越える基礎体力を再度作ります。
多くの都道府県で予選が始まる7月上旬から中旬は、
強豪校の選手たちも疲労が溜まっていたり、コンディションを落としていることが多いです。
それでも地方予選の序盤戦は個人の能力でカバーし、
地方予選の後半から甲子園大会に向けてピークを迎えるように調整しています。

そのため、地方予選の序盤戦で波乱が起きやすいのも事実です。
8月の甲子園に向けてコンディションの底に近い強豪校に対して、
1戦必勝でピークを地方予選の初戦に合わせる学校。
思わぬ形で先制しリードされ、打線も相手投手を打ちあぐね、
焦りと共に終盤を迎える強豪校の姿を、毎年目撃します。
そこで相手を上回れるか、そのまま沈んでいくか。
強豪校にとっても試練が待ち受けているのが地方予選です。
ただピークを初戦に持ってきたチームが勝ったとして、
その調子を予選の最後まで維持できるか、そして勝ち上がって甲子園に出たとして、
その勢いを持続させられるか、というと、難しいのは事実です。
ましてや近年の酷暑。
選手個々のコンディションとチームの波。
これをどう持っていくのか、監督の手腕にかかっています。

どこにピークを持っていくのか。
調子が悪い時にどう乗り越えるのか。
企業経営に当てはめてみても当てはまることは多いと思います。
地方予選の初戦突破を目指すのか、甲子園出場を目指すのか。
はたまた甲子園で優勝を目指すのか。
目指す場所によってアプローチ方法は大きく変動します。
目の前の売り上げ獲得を目指すのか、もっと先の理想像を目指すのか。
経営における目指す場所も明確にして共有したいですね。