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益田 和久

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第164回 ルール、マナー、モラル

2024/04/25

この4月は新入社員研修への登壇が続いています。
私たち研修会社へのオーダーは「学生から社会人へのマインドチェンジ」がメインテーマ。
新社会人の方々は、学生と社会人の違いについて、公私にわたる社会人生活を通じて日々体感するのだと思います。
「学生と社会人の違い」とはどういったことがあるのでしょうか。
列挙するといろいろありますが、私が研修でいつも申し上げているのは「『ルール、マナー、モラル』を意識することや求められる場面が多くなること」としています。
「ルール、マナー、モラル」は日常的に使われる言葉ですが、その意味や違いが曖昧なので事前に整理しておきます。

・ルール・・・社会生活や集団生活での決まりごと。法律、規則、決まり、慣習など。明文化されておりマナーよりも厳格な意味を持つ。
・マナー・・・礼儀そのもの、 常識的な作法や行動。TPO(時、場所、状況)に応じて変化することもある。
・モラル・・・道徳的な価値観や倫理的な原則。善悪を判断する基準。明文化はされていない。

社会人生活に置き換えると、ルールは就業規則。
マナーはあいさつや電話、来客対応などの接遇行為。
モラルは周囲への協力、正直さ。こんなところでしょうか。

このコラムでは、オンラインをテーマに書いています。
オンラインという観点ですと、ここ10年くらいはSNS利用のルールやマナーについて新入社員研修で言及することが多くなりました。
社内人事部門の方が新入社員対象に、SNSのルールやマナー遵守について具体的な事例をベースにした研修を行っている会社も多いですね。

SNS活用において最も重要なルールは、プライバシー情報や個人情報の投稿に関することだと思います。
本人の了承なしに写真をアップしたりタグづけしたりするのはアウトですね。
友達や特定のグループならある程度許容されることはありますが、豆粒くらいにしか写っていない写真だとしてもプライバシー情報や個人情報が推測される可能性は否めません。
DVやストーカー被害を受けている方は、私たちが思っている以上に神経質になっていますから、細心の配慮はマナーという点ではメッセージの送信時間に留意する必要があります。
(特定の方を除いて)深夜や早朝は相手が休んでいる可能性が高いですよね。
相手がその時間帯にスマホをミュートやおやすみ設定にしていれば別ですが、必ずしもみんながそうとは限らないですよね。
この点のマナーは電話をかけることと同じですね。
モラルという点では、SNSの情報を鵜呑みにしないということでしょうか。
ネット上の情報は必ずしも正しいものばかりではありません。
信憑性があるかどうかは、自分で判断するしかないと思います。
また”虚偽情報の発信”については、モラルが問われるだけでなく、場合によってはルール違反として罰せられることもありますから、まさに個人の道徳観が問われるのだと思います。

以上、新入社員研修で話していることを書き起こしてみました。
ある意味「当たり前」のことでありますが、ネット社会が進化していくにつれ、この「当たり前」も変わっていくと思います。
自身や自職場の「当たり前」について、定期的な現状確認は勿論のこと、時代や環境に即した「当たり前」の模索とその遂行に必要なスキルやリテラシーの光城にも取り組む必要があるなと感じた今日この頃です。