「健康にアイデアを」スローガンに掲げる、「明治」は、牛乳・ヨーグルト・チョコレートなどの分野でトップシェアを誇る大手食品会社。
きのこの山、たけのこの里、アポロ、カール、スーパーカップ、ブルガリア、などなど、抱えるブランドの多くが馴染み深い商品として定着していますが、この度「53年の歴史」を持つ「チェルシー」の販売を3月末で終了し、キャンディー事業から「撤退」することを発表したのです。
(同社は2023年にガム事業も「撤退」しています)
2023年には「サクマ式ドロップス」で知られる「佐久間製菓」が廃業するなど、相次ぐロングセラーの終焉には、消費者の「アメ離れ」が鮮明に映ります。
「明治」によれば、2002年度に「約25億円」あったチェルシーシリーズの売上高は、2022年度には「約5億円」にまで減少したとのことで事業撤退もやむなしといったところ。
さらには、市場をみますと、ガムはアメ以上の「需要縮小」の中にあるようで、「全日本菓子協会」の公開値によると、2022年時点のチューインガム(板ガム、粒ガム、風船ガム、シュガーレスガム)の小売金額は「710億円」ですが、これは2001年時点の「1676億円」と比べ半減以上の「57.6%」もの減少なのです。
一方、業界が注力しているのが「グミ商材」です。
若い世代を中心に独特な食感や斬新な見た目の国内外の商品がヒットし、今やお口のお供の主役はグミに取って代わられようとしています。
アメに関しては「のど飴」はいまでも健在で需要があり、スーパーの売り場では「主力アイテム」ですが、全体の売り場は縮小傾向で、ガムも存在感も薄くなっています。
商品・サービス、そして企業・組織も「栄枯盛衰」。
時代とともに移り変わっていくのでしょうね。
たまたまですが、こちらを記載しているわたしのデスクには、「チェルシー」と「ハードグミ」が並んで置いてあり、感慨深い思いをめぐらせておりましたとさ。