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岩田 徹

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第169回 隣の芝

2024/03/08

プロ野球もキャンプインから1ヶ月が経過し、
実践形式のオープン戦が開催され、開幕まであと少しの状況になってきました。
盤石のレギュラーと言われる選手たちは自身のペースで、
自らの感覚をじっくりと確かめているように見えますが、
当落線上の選手たち、チームを移り変わってきた選手たちは、
最後のアピールをしようと、必死に喰らい付く姿が見られます。

海の向こう、アメリカのメジャーリーグ、大谷選手は、
新しい球団になりましたが、やはり別格。
練習試合の初戦でホームランを打つなど、安定した力を発揮しており、
シーズンでの活躍も期待させる、そんなワクワクを感じます。
また同じドジャースに入団した山本由伸投手も圧巻のピッチングを見せており、
新天地で大きな一歩を踏み出したように思います。
大谷選手や山本選手、そして国内でも各チームの顔となる盤石のレギュラー層は、
やはり高いレベルの力を持っているようです。

一方で当落線上の選手たちは、安定した力を発揮するまでに今一歩足りていません。
高いレベルでのレギュラー争いのため、トップチームで出場できる選手、
ベンチ入りできる選手には限りがあります。
トップのトップで戦えることがプロ選手として目指したいところですが、
どうしてもその枠に入りきれない選手も出てきます。
その時にどういう心持ちで競技に向き合えるかが大切なのだと思います。
自らの力量の把握を誤り、不平や不満を周囲に撒き散らしたり、他との比較で思い悩んだり。
そういう選手は出場できそうな他チームへと目移りすることもあるでしょう。
「出場機会を求めて」という理由でチームを移る方も見受けられます。
が、どうでしょうか。
移籍して成功した選手もたくさんいますが、
移籍を続けても結局芽が出ず消えていった選手も多く存在すると思います。

隣の芝が青く見える時もあるでしょう。
ですが、どの芝に行っても、結局のところは自らの力がどの程度なのか、
というところが大事なのです。

会社員もそうです。
今いる環境に不満を持ち、自らの狭い価値観の中で他の会社や組織がよく見えることがあるのでしょう。
会社を移籍することを否定はしません。
が、スポーツの世界同様、最終的には自らの力がどれほどのものなのか。
そこに尽きると思います。
会社員もプロの世界です。
とことん自らの実力を磨いていくことこそが、長く活躍する秘訣なのだと思います。