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深山 敏郎

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第133回 困ったときの老荘だのみ エピソード33「手を加えない原木」

2024/01/02

コラムの132回目では、「老子」の書籍から離れ「そもそもなぜ『老子』がレジリエンスを高めるのか」を検討してきました。

「老子」が、筆者の人生にも大きな影響を与えたことをお伝えしてきました。

「手を加えない原木」とは何か

今回のテーマは、「手を加えない原木」をご説明します。
老子は言います。「道」は、手を加えない原木のようである、と。
どんなに小さくとも、誰もバカにはできないというのです。

老子は、もし君主がこ「手を加えない原木」のように無心の徳を理解して行動できれば、天下はおのずと従い、天地が惠み深くなり、人々は自然にうるおい、民心は安定するといいます。

「道」は留まることを知りません。
「道」が枝分かれして、いろいろな名前がつけられたとしても、また自然に混沌としてすべてが一つの「道」に帰するのです。
例えば、川の流れが枝分かれして、ゆくゆくは大海に注がれるように。

人生も「手を加えない原木」と同じ

筆者の考えですが、私たちの人生もこの「手を加えない原木」と同じではないでしょうか。
自然の摂理を理解して、それに従おうとすれば万物は流れるべき方向に流れ、すべてが統合されるのではないでしょうか。

例えば、組織の中で「人」はそもそも何を望むのか、また、何をいやがるかといったことを理解し、そうしたことを尊重することによって、もつれた糸という各自の主張がすっきりと整理され、またそれが一つの流れとなってあるべき帰結が得られるのではないでしょうか。

私たちはよく、価値観の違いからお互いに主張し、時には感情的になります。
また、不満があっても黙って我慢し、それがいずれ大きな不満の爆発となるかもしれません。
しかし、そもそも「人」が何を望むのか、何をいやがるのかということを考えることによって状況が整理され、ルールを作り、それを皆が守るようになるのではないでしょうか。

SDGsの中にダイバーシティ・アンド・インクルージョンという項目があります。
私たちはとかくこの問題を難しく考えがちです。しかし基本はこの「手を加えない原木」のように人としての尊厳を重んじて、互いの言い分を傾聴することによって多くの問題は解決できるように思えます。
心の中に、老子のいう「道」にあたる自然の摂理を重んずる考え方を取り入れて無理のない解決方法を見つけたいですね。

本コラムが私たちの日々の悩みを和らげ、深く自省するきっかけになれば幸いです。

「老子」に関しては、徳間書店「中国の思想」第6巻 「老子・列子」を参考にさせていただきました。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

(筆者:深山 敏郎)
株式会社ミヤマコンサルティンググループ
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