先日、自治体職員向けのオンラインコミュニケーション研修に登壇したときのことです。
弊社は民間企業と自治体両方の支援をしておりますが、オンラインコミュニケーションという点では、自治体は若干遅れているような印象があります。
自治体業務がリモートワークでは対応できないことも多いですし、公的機関の特性上、IT弱者に合わせた対応が基準となるために、IT推進が思うように進まない現状があるのではないでしょうか。
とはいえ社会全体がDXという流れになっている以上、庁内外のコミュニケーションをオンラインに切り替えていくのは必須。
コロナ禍の収束で対面コミュニケーションが復活してきているからこそ、オンラインに移行できるものを見極めていく必要があります。
そういった状況にあって、今回参加された方々は、受講目的(研修で習得したいこと)が明確で前向きな方ばかり。
非常にいい雰囲気で研修が開始しました。
ところが研修冒頭の音声映像チェックの確認の段階で、音声が聞き取れない、映像が不安定な方が数名いらっしゃいました。
弊社テクニカルサポートの田中さんが一人ずつ対応して解消はしていくのですが、どうしても一人だけ解消しない方がいました。
田中さんとその方がチャットで1時間以上やりとりして、Ⅰコマ目の休みに入る当たりでようやく解消。
田中さんも、これまでで最も手こずったかもしれないと言っていました。
ご本人も、研修直前までPCに不具合のようなものはなく、少し前にオンライン会議をやったときも順調だったので、何が原因かがわからないとのこと。
そんな状況でしたがご本人は、事前に事務局と通信テストをしなかったのが原因と反省されていました。
弊社は、オンライン研修の前に、
①Zoomを最新版にアップデート
②研修直前にPCの再起動
③イヤホンマイクを使う場合は差し込みジャックをエアダスターで掃除
④通信速度チェック
⑤初めての方は事務局もしくは弊社と事前の音声映像チェック
といったことを推奨しています。
今回は普段からもオンラインをよく活用している方ばかりでしたので、弊社としても細かくお伝えしていなかったことも、一つの要因ではないかと反省しています。
またその後の調査で、研修時間帯に定例議会の中継があり、多くの部署で視聴していたことから回線に負荷がかかったのではないかとの話もありました。
これは、弊社も事務局もノーチェック。
事前チェックリストに項目が1つ増えました。
今回印象に残ったのは、音声不良が解消しなかった方が、諦めずに粘り強くサポートの指示を聞いて対応したこと。
ご本人も「サポートの方が丁寧に対応してくださったからこそ、何とかしなくてはという思いになれたのと、改めて事前準備不足を感じました」と仰っていました。
物理的障害を乗り越え、参加者が気持ちよく受講できる環境をつくる。
オンラインサポートをつけたがらないお客さまもいらっしゃいますが、これこそ粘り強く薦めないといけないなと思いました。
またオンラインコミュニケーションは、移動時間の削減が一つのメリットです。
移動時間がないからこそ、スムーズな通信ができるような準備に充てることが大事だと。
慣れてきたからといって、その準備を怠ってはいけないなと痛感した今日この頃です。