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金山 正明

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第146回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2023/11/19

庭瀬幸一郎様(其の2)

今回の対談は、プロミュージシャンとして活動されているされている庭瀬幸一郎様にご協力頂きました。
庭瀬様は、脱サラしてプロミュージシャンに転身された異例の経歴をお持ちです。
現在はアコースティックデュオN.U.として活動される傍ら、株式会社POV取締役として、ボイストレーニングやオンライン配信コンサルサービスを提供されるなど、幅広く活動されております。
今回は庭瀬幸一郎様の現在までの歩みについてお話しを伺います。

金山:先週は、現在行っている主な活動と創業ストーリーについてお話しを伺いましたが、現在に至るまでのキャリアについてお話しを聞かせて頂けますでしょうか。

社会人からプロミュージシャン、そしてメジャーデビュー

そうですね。
実は親父の趣味がギターとゴルフだったんですよ。
土日はゴルフに行ってるし、平日仕事で帰ってきたらギターを弾いて、それに合わせて母が歌うんです。
そんな家庭で育ったんですが、今は弟がプロゴルファーで、私がプロミュージシャンなんです。
親父の趣味を仕事にしちゃったんですね(笑)。
ただ最初は本当に趣味程度で弾いていたんです。
プロミュージシャンを目指すようになったのは、大学を卒業してから勤めた会社での縁なんです。
半導体専門職の営業として就職しまして、横浜の寮に住むことになったんですよ。
その会社の寮にギターだけ持っていったんですが、土日は寮でギターを弾いていたんです。
そしたら僕の部屋に同期の仲間が集まってお酒を買ってきて飲みだすんです。
いつの間にか僕の部屋が溜まり場になっていて、僕はギターをポロポロ弾きながら、みんなでワイワイいろんな話をしましたね。
するとある休日の朝いつものように窓全開でギターを弾いてると、隣の部屋の同期が休みの日くらいうるさいからやめてくれって部屋に入ってきたんですよ。
まぁまぁ、お前も一緒に歌えよって言いながら一緒に歌い始めたのが今の相方なんです。

金山:凄い縁ですね!
そこからどうやってプロミュージシャンの道に進んだんですか?

最初は部屋で同期たちとギター弾きながら歌ってたくらいだったのですが、相方と色んな歌をカバーしていたら同期の一人から「オリジナル作らないの?」って言われたんですよ。
オリジナルなんて作れると思っていなかったんですけど、その言葉をきっかけに一曲作ってみようって作ったら、テレビで流れている曲よりいいのができてしまったんですよ。
これが大きな勘違いなんですなんですけど、「あれ?これ売れるんちゃうんこの曲」ってその時本気でそう思ったんですよ。
そして一緒に歌ってた相方に、ちょっとこれマジでやってみたいって言ったらですね、俺もマジでやってみたいと。
まだ何にもしてないのに、会社やりながらメジャーデビュー目指すの無理だからって決めつけて、新卒から2年務めた会社を辞めたんですよ。
まぁ、会社の上司にもとめられましたけどね。
年収もそこそこありましたし、営業成績もかなり良かったですしね。
そして何より音楽関係の知り合いゼロ、ファンもゼロからのスタートだったので当たり前ですよね。
ただ、もう決まってるんですと二人で嘘ついて次の日から新聞配達をはじめたんです。
新聞配達であれば、配ってる時間すら曲作れるし、一人で空いた時間全部音楽に使えると思ったんです。
そして、3年でメジャーデビューできなかったらもう一回就職活動するって決めて取り組んだんです。
お陰様で、3年になる直前にメジャーデビューできたんです。
事務所の先輩には、ケツメイシ、湘南乃風、同期がHYで、みんなミリオンアーティストなんです。
次は俺らでしょと思ってたんですけど、今思うと実力不足で契約解除になったんです。

金山:契約解除ですか。
プロの世界は厳しいですね。
それでも音楽を続けられたんですね。

常にワクワクやりたいことにアクセル全開

契約解除になる時に六本木の大きなビルの社長室に呼ばれまして、音楽の才能ないからあきらめた方がいいよと言われました。
ただ、社会人としての適性高いから、会社のアーティストマネジメントやらないかって声をかけられたんです。
ただその言葉にカチンときまして、才能があるかないかを決めるのは自分たちであなたじゃない!と言って喧嘩して社長室から出てきたんです。
まだ若かったのもありますし、絶対に成功してやるという気持ちが強かったですからね。
それからは、インディーズというフィールドで自分たちでマネジメントしながらプロミュージシャンとして活動するという道を選んだんですよ。
今思えばお金に執着がなかったんでしょうね。
常にワクワクしていたいというか。
父と母を早くに亡くしてるんですけど、自分んも明日死ぬかもしれないって思うと、笑ってその時を迎えたいと思うんです。
だからいつでも6速アクセル全開でやりたいことやろうって思うんです。
結成して23年経ちますが、1年目のファンの方から最近であった方まで沢山応援してくれている人がいますし、そういう人たちにちゃんと結果を出した風景を見せたいなって思って今でもどうしたら売れるか毎日考えてチャレンジしてますよ。

金山:23年ですか。
凄いですね!
2020年に会社を立ち上げられたと聞いてましたが、それまではどうされてたんですか?

メジャーの契約を切られた後で、インディーズでやっていくぞって決めたものの自分の音楽活動だけで安定した収入にしていくのって難しいと思ってたんですよ。
やっぱり水商売なので、いい時もあれば、へこむ時もある。何かしら探してたんですが、横浜のボイストレーニングスクールから事業責任者として声がかかったんですよ。
横浜なんで、N.U.の名前も借りたいと言われまして。その時ボイストレーニングの知識ゼロだったんですけど、一から学んで100人だった生徒数を200人まで伸ばしましたね。
そこで10年間働いたんで恩義果たせたかなと思って独立したんです。

金山:なるほど。
音楽活動を続けていくというのは、凄いことですね。
次週は今後のビジョンについてお話し聞かせてください。

プロフィール

庭瀬 幸一郎(にわせ こういちろう) 
・株式会社POV 取締役
https://pov-consultant.com/
・アコースティックデュオ N.U. ギターボーカル
https://niwaseuda.com/