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深山 敏郎

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第124回 困ったときの老荘だのみ エピソード24「功を誇るものは功を失う」

2023/10/31

コラムの123回目では、老子の言葉「あるがままに」を検討してきました。
道に則るものは絶えず自然であると、老子は言います。

今回は老子の言葉「功を誇るものは功を失う」をご紹介します。

「功を誇るものは功を失う」とは

老子の言う「功を誇るものは功を失う」とは、自己を有能と考えている人は本当に有能な人ではなく、自分が絶対に正しいと思う人は正しくないということです。
また、自分が知者であると思っている人は真の知者ではないということです。

老子は分かりやすい例を挙げています。
高くなろうとしてつま先立ちしていれば、かえって足元がおぼつかないのです。
遠くへ行こうと焦って大股で歩けば、かえって早くは進みません。
不自然なことをしようとすると、長続きしません。
あくまでも、自然に振る舞うことが「道」を体得するということなのです。

「道」を体得した者は一面だけを見ない

老子は「道」を体得した人は一面だけを見ることをしないと言っています。
ある面を見ると正しくて、別の面を見ると正しくないともいえる、それが「道」なのです。

人生でも、ビジネスでもそうではないでしょうか。
現在起こっている現象に一喜一憂しているうちは、「道」を体得するどころか、「道」に近づいてもいない、そういうことでしょう。
長期間にわたって、大局的な見地からものごとを見る習慣を身につけたいところです。

例えばオフィスで「この上司は何ていやな人なのだ、いつも細かいことばかり指摘してくる」と思うとします。
もしかしたら、自分がそうした細かいことに気づかずに、いい加減な仕事をしているという可能性を教えてくれているのかもしれません。

別のケースでは「この人はいつも笑顔で、とても良い人だ」と思うとします。
それはもしかしたらその人が自分に本当に心を許していないからかもしれないのです。

老子はそうした多面的な見方をいつも教えてくれます。

本コラムが私たちの日々の悩みを和らげ、深く自省するきっかけになれば幸いです。

「老子」に関しては、徳間書店「中国の思想」第6巻 「老子・列子」を参考にさせていただきました。

レジリエンスの高い人の特徴を詳しく知りたい方は、拙著:「レジリエンス(折れない心)の具体的な高め方 個人・チーム・組織」(セルバ出版)などをご覧いただければ幸いです。

(筆者:深山 敏郎)
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