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金山 正明

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第138回 この人に聞く!~人・組織が羽ばたく時~

2023/09/24

株式会社コンピュータ技研 代表取締役 松井 佑介様(其の2)

今回の対談は、株式会社コンピュータ技研代表取締役 松井 佑介様にご協力頂きました。
株式会社コンピュータ技研様は、「世界に「0」をONする会社」というスローガンを掲げ、様々な業界業種のシステムに携わる老舗の独立系Sierです。
近年ではソーシャル・ビジネスや中小企業のDXにも取り組んでおられます。
今回は株式会社コンピュータ技研代表取締役 松井 佑介様のキャリアについてお話しを伺います。

金山:先週は、会社について色々とお話しを伺いましたが、代表に就任する前のキャリアについてお話しを聞かせて頂けますでしょうか。

クリエイティブ業界での挫折、そしてITへ

私は 2000年に大学卒業しまして、いわゆる就職氷河期世代なんですけど、あんまり勉強もしていなかったので 就職できるわけもなく、でもそれを分かっていたこともあって 就職活動はせずに、学生時代からの伝を頼りに広告会社に入社しました。
ただ、4年間 広告業界で働いたもののクリエイティブ領域で食べていくことの難しさに、軽い挫折を通して気付かされました。
その時はコピーライターやカメラマンみたいなことを経験したんですけど、この先の仕事 どうしようかなと呆然と悩んでいる時に親父に初めて相談をしたんです。
当時親父が今の会社の2代目だったんですけど、IT業界に入ったらいいんじゃないかと話をもらいまして、別のIT企業で修業を積んで現在の会社に入社したんです。
それが2005年ですかね。
そこからは、人事、総務、営業、新規事業、役員、代表取締役という流れでキャリアを積んできました。

金山:そうだったんですね。
松井さんのキャリアの中で大きなターニングポイントとなった出来事ってありますか?

海外ロケで干されて退職を決める

やっぱり最初の挫折が一番大きいですかね。
就職するときに難しい環境ながらもコピーライターやりたいなって思いがありまして、知り合いに相談してたらコピーライターになれたんですよね。
ただコピーライターの仕事をしていて、文章を書いてそれをお客さんに見せるわけですけど、お客さんから色々と指摘を頂いて、若い頃の僕はお客さんの代筆してるだけやなって思って全然面白味を感じなかったんです。
若気のいたりなんですけど、コピーライターは思ったより 面白くないから、もっともっと特別な仕事ないんかなと思いカメラマンをやらせてもらったんです。
ただカメラマンになってみても、またカメラマンってそんなに面白くないなって思いまして。
そんな時に海外のロケがありまして、当時のクライアントさんから「松井くん、なんか今日仕事元気なかったね」って言われまして、カメラマンでやっていくかどうかとかちょっと悩んでるんですよねって、 正直に相談したら次の日からロケ先で干されてしまったんです。
全く仕事ももらえず、打ち上げも松井くんだけ別のとこ行ってくださいってコーディネーターに言われて、僕だけ一人でご飯食べに行かされましたね。
20歳そこそこの人間でしたから 結構へこむじゃないですか。
そこで心がポキッと折れてこんな仕事やめたるわってやめることにしたんです。

それからしばらくは配達のアルバイトをしていたんですよ。
単純な仕事をしようと思ってはじめましたが、アルバイトで稼ぎながら悶々とした日々を過ごしていましたね。
そんな中で今まで向き合ってこなかった親父に相談してみたんです。
実は私、思春期にほとんど親父と会話してこなかったんですよ。
本当久しぶりに話をしたんですが、父親にボロクソ に言われましてね。
ただ、修業して来いって知り合いのIT企業を紹介してくれたんです。
まあ反骨精神から親と距離をとっていたのに、挫折して自分から親に歩み寄らないといけなかったという形でめちゃくちゃ悔しかったのを覚えています。
ただ、この経験が私のキャリアの大きなターニングポイントだったと思います。

金山:なるほど。
それがきっかけでIT業界に転身されたわけですね。
今の会社に入社されてからはどうだったんですか?

そうですね。
今の会社に入社してから机と椅子はあったのですが、仕事がないところからスタートしたんです。
初日から何するんだろうという状態で、とにかく自分から仕事を見つけてやっていくという感じでしたね。
当時採用担当がいなかったので、採用担当からやり始めたました。
誰も僕の上司、僕の面倒を見る人はいなかった ので、いつも一人ポツンといて、周りはあいつ何してるんだろうって見てる状況でしたね。
おそらくあの当時心療内科に行っていれば、鬱だったと思います。

そういった環境からのスタートでしたが、徐々に仕事の成果が出始めたんですよね。
採用した子たちが社内で活躍して くれるようになったりとか、同世代がちょっとずつ心を開いてくれて飲みに誘ってくれるようになったりとか、少しずつですが、社内に仲間が増えていったんです。
それからは僕もちょっとずつやりたいこと、やるべきこと、やれることが増えていったんです。
そんな仲間 の仕事を取ってきたいから営業をやらせてもらったり、採用の仕事だけにとどまらず僕みたいに悩む若い子たちを減らしたいから、キャリアカウンセラーの資格を取って若い子らの声を聞いていくということをやり始めたりとかですね、とにかく主体的に動いていったんです。
するとどんどん仲間が増えて、キャリアカウンセリングとかコーチングに根差した会社組織のあり方みたいなのが、若い子たちにも浸透していきましたね。

金山:社長に就任されたのはいつ頃なのでしょうか。
就任されてからのお話しも少し聞かせてください。

2020年ですね。
ほぼコロナが流行した時と同じ時期ですね。
大変な時期でしたが、今までと違うことをやらざるを得ないタイミングで 社長になれたので、逆に良かったなと思っています。
私が社長に就任して3年ほどですが、新しいことに取り組みやすい環境でもありました。
下地というか、土壌はずっと作ってきていましたので、そこに満を持して色んな苗を植えていきましたね。
そんな中でも大きな影響を与えたのは人事制度ですね。
オーナーシップ制度という、給与を自己申告で決めるという制度をはじめました。これが画期的すぎて導入するまでにかなりの時間と労力を使いましたけど、これが今の うちの事業において力の源になっているように思います。

金山:給与を自己申告で決めるって凄い制度ですね!
老舗企業の取り組みとしては、斬新すぎますね。
もっと話を聞きたいところですが、「事業においての力の源になっている」ということですので、次週は今後のビジョンについてお話し聞かせてください。

会社情報

事業所名:株式会社コンピュータ技研
所在地:大阪市中央区伏見町4丁目4番10号
新伏見町ビル7階
HP:https://www.kkctl.co.jp/
事業内容:
1.システムインテグレーション事業(ソフトウェア開発、インフラ構築)
2.ERP導入支援
3.スマホアプリ開発
4.中小企業DX支援
5.ソーシャルビジネス・クラウド構築