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高松 秀樹

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第141回:転勤の意味

2023/08/26

「人手不足、離職防止」などを狙って「三菱UFJ信託銀行」が総合職でも「転勤時」の「50万円支給」を発表しました。

10月以降の導入のようですが、条件を満たせば今年4〜9月の異動にも遡って適用するとのこと。

新制度は、引っ越しを伴う転勤者に「一律で50万円」を一時金として支給しますが、転居時の住環境を整えるために支給してきた、これまでの手当とは別に、異動後の賞与に50万円(課税対象)を上乗せするようです。

全国転勤が前提とされてきた「総合職4500人」ほどが対象で、大手行では極めて異例の手当となります。

近年は、辞令による転居に強いネガティブ感情を持つ若手世代が増え、さらには、人手不足で採用の「売り手市場」も強まっているための対策でしょうが、

今後、他企業でも似たような動きが進むことが予想されます。

「マイナビ」の調査(24年卒大学生就職意識調査)では、「入社したくない会社」において「ノルマのきつそうな会社(38.2%/対前年比0.8ポイント増」に次いで、「転勤の多い会社(29.6%/帯前年3.0ポイント増)」が第2位に入っていると開示されていましたが、要するに求職者から「転勤は嫌われている」のでしょう。

これまで我慢を強いてきことを、今度は、「お金を払うから我慢して」というようにも映ります。

そもそも「転勤」とは、「企業・組織にとって」ではなく、「社員のキャリア形成」にとって「どんな意味を持つのか?」、そのことを問い直すことが、今の時代には求めれられているようですね。